研究課題/領域番号 |
06454239
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
竹本 泰一郎 長崎大学, 医学部, 教授 (60010005)
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研究分担者 |
千住 秀明 長崎大学, 医療技術短期大学, 助教授 (30179361)
和泉 喬 長崎大学, 医学部, 講師 (20039556)
門司 和彦 長崎大学, 医学部, 助教授 (80166321)
太田 保之 長崎大学, 医療技術短大, 教授 (50108304)
中根 允文 長崎大学, 医学部, 教授 (80039833)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 火山噴火 / 避難 / 小・中学生 / 地域住民 / 刺激症状 / レスピロメトリー / 閉塞性障害 / メンタルヘルス |
研究概要 |
火山噴火災害の健康影響を把握し,継続的な健康管理にサーベイランスシステムを構築することを目的とした。長崎県雲仙普賢岳噴火の被災地である島原市と深江町で継続的に現地調査を行い、下記所見を得た。1)被災地の小中学生では噴火後「外で遊ぶことが減った」「テレビをみる・ゲームをする」など屋内の生活行動が増え、「夜中に起きる」「寝る時間が遅くなった」「朝起きるのがつらい」といった生活時間の変化も高頻度であった。「風邪を引きやすい」「咳・痰が出やすい」「喉が痛い」といった火山噴出物に由来する自覚症状も高頻度であった。また、これらの生活行動の変化・自覚症状が学校や家庭の避難で増強されていたことも特徴的であった。2)地域住民についてのアンケート調査では「眼の症状」が最も高頻度で、次いで「咳・痰の症状」であった。これらの有訴率は壮年期の女性、被害が大きい地区、避難住民で高かった。噴火活動の鎮静化とともに皮膚粘膜の刺激症状が低下したが、「咳・痰」「喘息」「呼吸困難」など呼吸器に関する症状は遷延化する傾向が認められた。3)スパイログラムによる呼吸機能検査では県内の非被災地に比べ閉塞性障害の頻度が高かった。4)避難住民に関する全般的健康調査(GHQ)では、壮年期の男女にストレスが強いこと、精神的健康度に頻回の避難、通院、自営業従事などが関わっていることが示唆された。以上の結果は、火山噴火の健康影響が火山噴出物による直接影響とともに避難・移住による生活環境や生業活動の変化をも包含していることを物語っている。
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