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1994 年度 実績報告書

抗リン脂質抗体と動・静脈血栓症の発症に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06454249
研究機関北海道大学

研究代表者

小池 隆夫  北海道大学, 医学部, 教授 (80146795)

キーワード抗カルジオリピン抗体 / β_2-グリコプロテインI / 血栓症 / 習慣流産 / 抗リン脂質抗体症候群 / 酸化LDL
研究概要

全身性エリテマトーデス(SLE)は,多臓器にわたる障害と多彩な自己抗体の出現を特徴とするきわめて難治性の疾患である.SLEの患者に梅毒血清反応の生物学的偽陽性が多くみられ,梅毒血清反応の対応抗原がカルジオリピン等のリン脂質であることからSLEの病態と抗リン脂質抗体の関連は古くから注目されていたが,近年になり抗リン脂質抗体(抗カルジオリピン抗体およびループスアンチコアグラント)の出現と各種の血栓症,中枢神経症状,習慣流産などとの関係があきらかとなった.また、SLEなどの自己免疫疾患を持たない若年性の心筋梗塞を始めとする血栓症患者、習慣流産患者においても抗リン脂質抗体の出現率が高いことが判明し、これらの病態は一括して抗リン脂質抗体症候群と呼ばれるようになった。また、最近になり、抗リン脂質抗体症候群の中でもきわめて急激な経過をとり、中枢神経、腎を含む多臓器障害を呈し、致死率の高い一群が存在することも報告され内外の関心を集めている。これらの病態はいずれも動静脈の閉塞性病変によるものと考えられているが、実際に抗リン脂質抗体がどのように病態生理に関係しているかはあきらかではない。申請者らは、抗リン脂質抗体症候群患者に認められる抗カルジオリピン抗体がカルジオリピン単独ではなく、カルジオリピンと血中のβ_2-グリコプロテインI(β_2-GPIまたはアポリポ蛋白H)との複合体を認識しており,梅毒等感染症患者由来の抗カルジオリピン抗体と明白に区別されることを明らかにした.
本年度の研究により下記の点が明らかになった。
1)ヒトモノクローナル抗カルジオリピン抗体及びモデルマウス由来のモノクローナル抗体カルジオリピン抗体ならびにβ_2-GPIの各ドメインを欠損した変異体由来の蛋白を用いて、抗カルジオリピン抗体の対応するエピトープを明らかにすることが出来た。
2)β_2-GPIはカルジオリピンのみならず酸化LDLにも結合し、抗カルジオリピン抗体と反応するようになることを明らかにした。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Takao Koike: "Antiphospholipid Syndrome" Rheumatology Review. (in press).

  • [文献書誌] E.Matsuura,M.Igarashi,Y.Igarashi,T.Katahira,H.Nagae,K.Ichikawa,D.A.Triplett,T.Koike: "Moleccular studies on phospholipid-binding sites and crypic epitopes appearing on β 2-glycoprotein I structure recognized by anticardiolipin antibodies." Lupus. (in press).

  • [文献書誌] Takao Koike: "Anticardiolipin antibodies and β 2-glycoprotein I" Clinical Immunology and Immunopathology. 72. 187-192 (1994)

  • [文献書誌] E.Matsuura,Y.Igarashi,T.Yasuda,D.A.Triplett,T.Koike: "Anticardiolipin antibodies recognized β 2-glycoprotein I structure altered by interacting with an oxygene modified solid phase surface" J.Exp.Med.179. 457-462 (1994)

  • [文献書誌] K.Ichikawa,Munther A.Khamashta,T.Koike,E.Matsuura,Graham R.V.Hughes: "β 2-glycoprotein I reactivity of monoclonal anticardiolipin antibodies from patients with the antiphospholipid syndrome" Arthritis & Rheumatism. 37. 1453-1461 (1994)

  • [文献書誌] Y.Kita,T.Sumida,I.Iwamoto,Y.Yoshida,T.Koike: "V gene analysis of anti-cardiolipin antibodies from (NZW x BXSB) Fl mice" Immunology. 82. 494-501 (1994)

  • [文献書誌] 小池隆夫: "止血・血栓・線溶" 中外医学社, 500 (1994)

  • [文献書誌] 小池隆夫: "医科免疫学 改訂第4版" 南江堂(印刷中),

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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