研究課題/領域番号 |
06454251
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
内潟 安子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50193884)
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研究分担者 |
桑田 昇治 東京大学, 医学部, 助手 (00241993)
大森 安恵 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (00075227)
武藤 和子 東京女子医科大学, 医学部, 助手
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キーワード | インスリン自己抗体 / HLA / HLA-DRB1^*0406 / Scatchard解析 / ポリクローナル自己抗体 / モノクローナル自己抗体 / Mixed lymphocyte reaction |
研究概要 |
1.インスリン自己免疫症候群(IAS)患者のHLA-DR4分子上の疾患感受性エピトープ 自己免疫機序で発症すると考えられているインスリン自己免疫症候群はこれまでの我々の研究により、患者数34名のIASポリクローナルインスリン自己抗体(IAA)生産群はすべてHKLA-DR4/DQ3をもち、IASとHLA-DR4/DQ3の非常に強い相関がわかった。Autologous mixed lymphocyte rection testによりHLA-DQ分子ではなくHLA-DR分子上にインスリン由来ペプチドが抗原提示されることも証明した。そこで、HLA-DR4のDRB1分子上のどの部位が抗原提示にcriticalに関わるのか興味がもたれる。これを明らかにするには、IAS患者のHLA解析をもっとすすめて、DR4の種々のsubtypeを決定することである。今年度患者数を50名に増やすことができた。これまでIASはHLA-DR4と100%相関したが、今回HLA-DR9をもつ者が12名いた。12名のうち、2名はHLAS-DR9のhomozygeteであった。正常健常人106名と比べると、やはりDR4は非常に強い相関を示した。(odd's ratio56.6)。DR9はIASと相関しているとはいえなかった。DR4の対立遺伝子間の頻度はDRB1^*0406が84%、DRB1^*0403が10%、DRB1^*0407の頻度が正常人の頻度と変わらず、DRB1^*0406のみが、odds ratio56.6を示した。このことはIASの発症は1)まずDR4であることが必要である、2)DR4がDRB1^*0406であること、さらに3)DRB1分子の74番アミノ酸がglutamic acidであることが必須であり、37番アミノ酸のserineがIASの発症頻度を高めていることが判明した。 2.IASの低血糖症状の悪化と改善とインスリン自己抗体の性状 IASの低血糖症状は一般に3か月から6か月内に無くなるか、改善する。大量のインスリン自己抗体がどのように消失していくのか。抗idiotypicな抗体が産生されるのか、suppressor T細胞によるインスリン抗体産生B細胞の抑制、インスリン抗体産生をmodulateするようなadjuvantの消失などが考えられる。低血糖症状が遷延するIAS患者のインスリン抗体のScatchard分析より、抗体のインスリンとの親和性の変化を研究した。以上の結果低血糖症状の程度とインスリン抗体のインスリンとの親和性は相互に強く関係していることがわかった。インスリン産生B細胞のclonalな変化が起こってくるものと考えられた。
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