研究課題/領域番号 |
06454251
|
研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
内潟 安子 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (50193884)
|
研究分担者 |
大森 安恵 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (00075227)
武藤 和子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50277109)
|
キーワード | インスリン自己抗体 / HLA / HLA-DRB1^*0406 / Scatchrd解析 / ポリクローナル自己抗体 / モノクローナル自己抗体 / T細胞レセプター / Mixed Lymphocyte Reaction |
研究概要 |
自己免疫機序で発症するインスリン自己免疫症候群(IAS)はこれまでの我々の一連の研究により以下のことがわかった。 1)IASはポリクローナルIAA産生群とモノクローナルIAA産生群に分類できる。 2)この2群のIAA産生機序は少なくともHLA遺伝子拘束性が異なる。 3)DRB1鎖74番アミノ酸はポリクローナルIAA群はグルタミン酸、モノクローナルIAA群はアラニンである。 4)3)のアミノ酸の相違がインスリンのT細胞への抗原提示の効率を悪化させる可能性が高い。 5)IAAをコードする免疫グロブリン遺伝子のレパトアにポリクローナルIAA群とモノクローナルIAA産生群に相違ある可能性も考えられる。 6)HLA-DRB1^*0406分子に結合するヒトインスリンペプチド(T細胞エピトープ)とIAAポリクローナル抗体に結合するヒトインスリンペプチド部位(β細胞エピトープ)を検討したところ、DRB1^*0406は特異的にインスリン_α鎖後半とインスリンβ鎖後半と結合した。32種類のIAAポリクローナル抗体はいづれもS-S解離したペプチドのcysteine残基を中心に結合することがわかった。 そこで本年はインスリンに反応性のあるT細胞レセプターのVβusageを調べることにした。すでに我々はIAS患者および健康人のインスリン反応性T細胞クローンを単離している(J.Immunology 51:5770,1993)。まず活性化T細胞の検索のためにsuperantigenに対する応答を調べ、次にヒトインスリン40μMに対する応答を調べた。なお、抗CD3抗体に対する応答を対照とした。その結果、IAS患者のT細胞レセプターのVβレパトアは健康人にみられる正常のsuperantigen応答を示した。ヒトインスリン刺激では、数種のVβ発現を認めたが、IAS特異的な一定のVβ発現パターンは認められなかった。現在クローン化T細胞をIAS2名より樹立した。そのVβを調べたところVβ8のみであった。CDR3のシークエンスを目下検討中である。
|