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1994 年度 実績報告書

HCV遺伝子発現による肝細胞アポトーシスや癌抑制遺伝子サイクリン相互作用の変化

研究課題

研究課題/領域番号 06454257
研究機関東京大学

研究代表者

金子 義保  東京大学, 医学部(病), 講師 (90124669)

研究分担者 中山 利文  東京大学, 医学部(病), 医員 (80150275)
キーワード肝炎ウイルス / 癌抑制遺伝子 / サイクリン / アポトーシス
研究概要

癌抑制遺伝子p53やRbの産物はアポトーシスを誘導するがこれらの遺伝子に異常を有する細胞はアポトーシス誘導機構をすりぬけて無限増殖し癌化する。そこでHCV遺伝子をレトロウイルス発現ベクターに組込み肝細胞に発現させた場合に、薬剤や癌抑制遺伝子産物によるアポトーシス誘導がどう変化するかを明らかにする。これらの実験を通じて、HCVのどのような作用が肝細胞癌化に直接寄与するのかを分子レベルで明らかにする。
研究の過程で、抗癌剤による肝癌細胞のアポトーシス誘導でp53が核に集積することを見い出した。発癌プロモーターはこのp53の核への集積を阻止することによりアポトーシスを抑制する可能性を見い出した。この抑制作用はp53に特異的と考えられ、これらの発癌プロモーターはPCNAの核への集積には著明な変化をもたらさなかった。HCV蛋白は発癌プロモーターと同様にp53の核への集積に影響する可能性が示唆された。
またHCV遺伝子やヘルペスウイルスのチミジンキナーゼ遺伝子をレトロウイルス発現ベクターpZIPneoに組み込む実験を行なっている。チミジンキナーゼ遺伝子を組み込まれた発現ベクターは肝癌細胞にトランスジュースされガンシクロビルに感受性が生じる。HCV遺伝子の組み込みとHCV遺伝子産物のアポトーシスやp53の核への集積への影響をみる実験を行なっている。HCV遺伝子の断片をレトロウイルス遺伝子に組み込み肝癌細胞で十分量の蛋白をつくらせるベクターを開発している。いくつかのプロモーターをベクターに組み込む試みをしている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 金子義保: "Apoptosis and nuclear accumulation of p53 protein and PCNA in human hepatoma cells cultured with tumor promoters." Cancer Letters. (in press). (1995)

  • [文献書誌] 金子義保: "Apoptosis and p53 protein exproszion in human hepatoma cells induced by etoposide,mitomycn C and rhapsigargin." Int.Hepatol.Commun.2. 305-309 (1994)

  • [文献書誌] 金子義保: "Thapsigargin-induced persistent intracellular calcium depletion and apoptosis in human hepatoma cells" Cancer Letters. 97. 147-155 (1994)

  • [文献書誌] 金子義保: "肝硬変" 医薬ジャーナル. (in press). (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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