研究課題/領域番号 |
06454265
|
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
三浦 総一郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50138012)
|
研究分担者 |
都築 義和 慶應義塾大学, 医学部・内科, 助手 (10236929)
芹澤 宏 北里研究所付属病院, 内科, 医員(研究員) (60187870)
|
キーワード | パイエル板 / リンパ球migration / 後毛細管細静脈 / 腸管リンパ管 / リンパ球Subset / 長鎖脂肪酸吸収 / α4-integrin / VIP (vasoactive intestinal peptide) |
研究概要 |
平成7年度は、パイエル板におけるリンパ球migrationのin vivo解析の中でリンパ球の接着過程のみならずその後のmigrationの過程を定量的に解析することに成功した。すなわち、CFSE蛍光標識リンパ球の後毛細管細静脈(PCV)への接着後、如何にリンパ濾胞間質内を移動するかと腸管リンパ管への転送につき観察した。 1。頚静脈より注入したリンパ球は、30分かけて徐々にパイエル板のPCVへと接着してゆく。その後90分の間に血管内皮を通過して(transendothelial migration),やがて180分の間にPCVより約5-50umの範囲で間質内へmigration (interstitial migration)する様子が観察される。また、120分後よりパイエル板の濾胞を取り囲む微小リンパ管(parafollicular microlymphatics)にリンパ球の出現がみられ、その個数が経時的に増加して行くのが240分まで観察しえた。 2。リンパ球subsetによるmigrationの相違を検討した成績では、CD4 T cellは上記の典型的migrationパターンを示すが、B cellは濾胞内の間質にgerminal center側へと進み、リンパ管への輸送は少なかった。CD8 T cellはその中間の様相を示した。 3。細胞とくに長鎖脂肪酸吸収はPCVへの接着のみならず、その後の間質内の移送とリンパ管内への転送を著しく促進した。 4。リンパ球の血管内皮へのinteractionにα4-integrinは重要な役割をはたすが、transendothelial migration過程においてもα4-integrinは重要であることを見いだした。ただしその後の間質内輸送やリンパ管排出には影響を与えなかった。 5。VIP (vasoactive intestinal peptide)にはリンパ球の血管内皮への接着には影響与えなかったが、その後のパイエル板内のmigrationを有意に抑制した。
|