研究課題/領域番号 |
06454266
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
佐藤 信紘 順天堂大学, 医学部, 教授 (90028358)
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研究分担者 |
前広 康平 順天堂大学, 医学部, 助手 (30238878)
北村 庸雄 順天堂大学, 医学部, 助手 (20231285)
山口 泰 順天堂大学, 医学部, 助手 (70241015)
横井 幸男 順天堂大学, 医学部, 講師 (20150633)
渡辺 純夫 順天堂大学, 医学部, 講師 (20138225)
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キーワード | 胃粘膜細胞 / 損傷修復モデル / 細胞遊走 / 細胞外基質 / 増殖因子 / 細胞骨格 / 胃潰瘍 / 受容体 |
研究概要 |
我々の確立した培養消化管粘膜損傷修復モデルは、細胞遊走と細胞増殖により成り立っているが、本年度は遊走、増殖に及ぼす細胞骨格系蛋白、細胞内情報伝達系の働きを詳細に検討した。各種細胞骨格系蛋白の阻害剤(cytochalasinB、wortmannin、w-7)を用いて細胞の遊走、増殖にはactin-myosin系蛋白が主役をなす事を明らかにした。さらに細胞骨格系蛋白の機能制御にはcalcium-calmodulin系が深く関わることを解明し報告した。さらに、損傷修復に関わる細胞遊走と増殖に影響を与える外的な要因として、細胞外基質、増殖因子について詳細な検討を行った。即ち、細胞外基質においては、 collagen typeI、IVが損傷修復に促進的に働くことを明らかにし、fibronectin、laminninは比較的修復速度が遅延する傾向が認められた。細胞増殖因子に関しては、EGF、TGF-a、Insulin、HGFが細胞遊走、増殖を促進することにより上皮細胞の損傷修復促進的に働くことを見いだした。特に従来、主に肝細胞の促進因子として知られていたHGFが胃粘膜の損傷修復に働くとの知見は興味深く、受容体の発現、経時的変化など将来的に検討すべき課題を見いだした。さらに、bFGF、TGF-bなどの増殖因子は上皮系細胞を用いた本モデルでは作用せず、 in vivoで認められる潰瘍治癒促進効果は間葉系細胞を介するものと考えられた。
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