研究課題/領域番号 |
06454266
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
佐藤 信絋 順天堂大学, 医学部, 教授 (90028358)
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研究分担者 |
前広 康平 順天堂大学, 医学部, 助手 (30238878)
山口 康 順天堂大学, 医学部, 助手 (70241015)
北村 庸雄 順天堂大学, 医学部, 助手 (20231285)
渡辺 純夫 順天堂大学, 医学部, 助教授 (20138225)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 胃潰瘍 / 増殖因子 / 細胞骨格 / 細胞遊走 / 細胞増殖 / 創傷治療 / 培養細胞 / gastric ulcer / growth factor / cytoskeleton / migration / proliferation / wound healing / culture cell |
研究概要 |
本研究は消化管粘膜損傷後の細胞動態を遊走・分裂増殖・アポトーシスの面から解析し、これらにかかわる因子を明らかにすることにある。昨年度までに、我々が確立したモデルは、一定領域の人口損傷を物理的、化学的に作製することにより細胞壊死、及び修復のプロセスを定量化でき、しかも、損傷局所に存在する細胞のみを指標に、アポトーシス、及び、遊走、増殖分化度等を定量的に解析可能にした点、独創的であったと思われる。このモデルにより、損傷からの修復と細胞増殖が明らかにされており、欠損修復後の細胞の成熟過程の追跡も可能であった。これまでに、修復早期には細胞の遊走が主であり、後期には増殖が加味されることが解明された。さらに、損傷の主役となる損傷に隣接する細胞をターゲットにして増殖、分化、遊走されにそれらを制御する細胞骨格、細胞内情報伝達系を詳細に解析することができた。さらにこれらに影響する増殖因子、サイトカイン、薬剤などの影響を明らかにし報告した。また、MNNGによる胃粘膜萎縮モデルを用いて胃萎縮過程は細胞増殖とアポトーシスを伴うことを明らかにした。今回のプロジェクトは潰瘍修復機構の解析に留まらず、治療法の確立や細胞回転の面から潰瘍症の本体の解明に資することができたものと考えられる。さらに将来的には、正常消化管粘膜細胞と癌、前癌細胞との比較実験を行うことにより、細胞壊死、アポトーシス、遊走能、増殖能、さらに癌進展、及び分化誘導機序について検索可能であり、癌化、発ガン及び癌抑制のメカニズムに迫れる可能性があり、現在これらについてさらに検討中である。
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