研究課題/領域番号 |
06454267
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
高田 昭 金沢医科大学, 医学部, 教授 (30064497)
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研究分担者 |
伊達 孝保 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50019676)
堤 幹宏 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (00155425)
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キーワード | C型肝炎ウィルス / サブタイプ / 臨床的意義 / インタフェロン療法 / 原発性肝癌 / 国別頻度 / 準変異株 / 抗C型肝炎ウィルス剤 |
研究概要 |
C型肝炎ウィルス(HCV)サブタイプの持つ臨床的意義について分析した。 1.新しいサブタイプの分析法の開発:世界各国から集めた約2,00の血清についてついて分析し、3a型と4a型の存在を確認し、1-4型までの遺伝子型の識別可能な分析系を確立した。しかし、2cと3b型の存在は確認しえず、これらの型を判定する系の開発は中止した。 2.サブタイブ別にみたインターフェロン(IFN)の効果の分析:わが国の多数例の分析から、1b型での効果は不良であることが確認できた。外国症例でも、同様の成績であった。 3.サブタイプの差によってIFNの効果の相違する機序の解明:IFN単独およびIFNと他の抗ウィルス剤の併用療法を行った時の血中HCV-RNA量の経時的推移から、その反応は大部分がIFN抵抗株である推定される無反応群、一部が抵抗株と推定される部分反応群、抵抗株がほとんどないと推定される良好反応群の3群に大別された。無反応型は1b型にのみ認めれ、このことが、IFNの効果がHCVの型によって異なる機序と関係していること考えられた。今後は、HCVのquasispeciesをsingle strand conformartion polymorphism法で分析し、IFN抵抗株の特徴を明らかにしたいと考えている。 4.世界各国でのHCVサブタイプの分析:世界の各国では2cと3b型はきわめてまれであり3a型はオーストラリヤに、4a型はエジプトに多かったが、わが国での頻度は低率であった。 5.1b型と原発性肝癌との関係の分析:世界各国での肝癌の発生頻度と1b型の頻度は有意に相関し、わが国でも、各県別にみると肝癌の頻度と1b型の頻度は有意に相関した。また、肝癌での1b型の頻度も有意に高率であり、1b型の感染が肝癌の発生に重要な役割を果たしていることが確認された。
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