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1994 年度 実績報告書

肝細胞におけるビリルビン、肝汁酸、その他の有機物質の輸送機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 06454268
研究機関近畿大学

研究代表者

足立 幸彦  近畿大学, 医学部, 助教授 (50111026)

研究分担者 南野 達夫  近畿大学, 医学部, 講師 (40189220)
山本 俊夫  近畿大学, ライフサイエンス研究所, 教授 (50088522)
キーワードビリルビン / タウロコール酸 / プラバスタチン / 肝細胞内輸送 / 胆汁中排泄 / グルクロン酸抱合 / Gilbert症候群 / 閉塞性黄疸
研究概要

1.細胆管側肝細胞膜における物質輸送:SDラットの肝から細胆管側肝細胞膜ベジクルを精製分取した。共に有機陰イオンである^3H-bilirubin diglucuronide(^3H-BDG)はδALA静脈注射ラットの胆汁から精製し、^<14>C-pravastatin(^<14>C-PV)は三共より得た。
^3H-BDG又は^<14>C-PVのベジクルへの摂取を観察した。ATP 5mM存在下で^3H-BDGの摂取の亢進が見られず、BDGの胆汁中排泄はATP非依存性である可能性が強いと結論した。一方、^<14>C-PVの摂取はATP存在下で亢進しATP依存性の輸送であると考えられた。^<14>C-PVの摂取は、ベジクル外側(生理的状態では肝細胞内側に相当)のpHを内側よりも下げると、著明に亢進した。^<14>C-PVの摂取はATP及びPVの濃度依存性があり、かつ飽和がみられた。このpH及びATPの両方に依存する有機陰イオン輸送経路は今まで報告されておらず、今後更に研究を継続する予定である。閉塞性黄疸ラットにおける^3H-taurocholate(^3H-TC)と^<14>C-PVの細胆管側肝細胞膜輸送を比較観察したところ、7日目には^3H-TCの方に著明な低下が存在しており、両者の輸送が病態時に異なる可能性が示唆された。
2.ビリルビンの肝細胞内抱合に関する研究:ビリルビンはbilirubin UDP-glucuronosyl transferase(BGT)によりグルクロン酸抱合をうけるが、Gilbert症候群では酵素活性が約1/3と低い。今回6例のGilbert症候群患者の白血球を用いてBGT遺伝子の解析を行い、4例でBGTアイソザイム固有のエキソン1A上に数種のヘテロのpoint mutationを見いだした。あと2例は、それぞれエキソン1D上と共通エキソン4上のpoint mutationであった。以上から、Gilbert症候群が常染色体性優性遺伝をする事を明らかにした。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] S.Aono,Y.Adachi,et al: "Analysis of genes for bilirubin UDP-glucuronosy Hransferase in patients with Gilbert's syndrome and proposed mechanism for the gene dominance of this syndrome." Lancet. (印刷中).

  • [文献書誌] 宮 浩久,足立 幸彦,他: "閉塞性黄疸ラットにおける肝細胞膜の変化について." 薬理と治療. 23(Suppl.3). S573-S576 (1995)

  • [文献書誌] A.Kagita,Y.Adachi,et al: "Type II Crigler-Najjar syndrome with intrahepatic cholastasis." J.Gastroenterol.29. 214-217 (1994)

  • [文献書誌] 山本 俊夫,足立 幸彦: "黄疸論" 肝胆膵. 30. 5-20 (1995)

  • [文献書誌] 足立 幸彦,伊藤 正,他: "ビリルビン" 肝胆膵. 29. 599-609 (1994)

  • [文献書誌] 足立 幸彦,北野 元一: "図説病態内科講座6 胆肝膵" メジカルビュー社 (分担執筆), 28-35 (1994)

  • [文献書誌] 足立 幸彦,上硲 俊法: "Annual Review 消化器 1995" 中外医学社 (分担執筆), 197-203 (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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