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1996 年度 実績報告書

肝類洞血流を調節する細胞とペプチドの研究

研究課題

研究課題/領域番号 06454269
研究機関久留米大学

研究代表者

谷川 久一  久留米大学, 医学部, 教授 (10080649)

研究分担者 坂本 雅晴  久留米大学, 医学部, 助手 (60248367)
権藤 和久  久留米大学, 医学部, 助手 (00186909)
鳥村 拓司  久留米大学, 医学部, 助手 (60197986)
上野 隆登  久留米大学, 医学部, 講師 (70176618)
キーワード肝硬変 / 肝類洞微小循環 / 伊東細胞 / エンドセリン-1 / エンドセリン-1レセプター / α-平滑筋アクチン / 一酸化窒素
研究概要

硬変肝における肝類洞の微小循環の変化を理解するため、ラット培養伊東細胞を用いたin vitroの検討、NO阻害剤によるラット肝微小循環の変化ならびにヒト肝硬変組織を用いて以下の検討を行った。すなわち、
1.エンドセリン-1(ET-1)とインターロイキン1β(IL-1β)によるラット培養伊東細胞の収縮、拡張効果の検討-正常ラット培養伊東細胞にET-1やIL-1βを投与後、面積変化、アクチン、デスミン、チュブリンなどの細胞骨格の変化および細胞内の一酸化窒素合成酸素(NOS)、cyclic-GMPの変化を検討した。その結果ET-1投与によりNOSやcyclic-GMPの減少、細胞骨格の集簇化ならびに面積の減少を認めた。IL-1β投与では細胞内のNOSやcyclic-GMPが増加し、細胞骨格は細胞質の進展とともに伸長し、面積の増加をみた。以上の結果より、ラット培養伊東細胞はET-1で収縮し、IL-1βで弛緩することが明らかとなった。
2.in vivoでのNO阻害剤(L-NMMA)により肝微小循環の変化の検討-肝硬変モデルラットの門脈よりL-NMMAを注入すると、門脈圧の上昇、門脈および肝の血流量の低下を認めた。
3.ヒトの正常肝と硬変肝における神経終末の局在、α-平滑筋アクチン(α-SMA)、デスミンおよびET-1レセプター(ET-1R)発現の検討-正常肝に比較し硬変肝では肝小葉内の神経終末が減少するいっぽう、抗α-SMA、抗デスミン、抗ET-1Rの反応産物の増加を認め、さらにα-SMAのmRNAの表出も増加していた。ET-1RmRNAに関しては現在検討中である。以上の結果より硬変肝では神経支配が乏しくなるいっぽう、増加したα-SMA陽性伊東細胞がET-1Rを介してET-1で収縮し、肝類洞微小循環に深く関与することが推測される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Takato UENO: "Intralobular innervation and lipocyte contractility" Nutrition. 13(in press). (1997)

  • [文献書誌] Takato UENO: "Hepatic stellate cells and intralobular innervation in human liver cirrhosis" Human Pathology. 28(in press). (1997)

  • [文献書誌] Masaharu SAKAMOTO: "Relaxing effect of interleukin-1 on rat-cultured Ito cells" Hepatolgy. 25(in press). (1997)

  • [文献書誌] Takato UENO: "Liver innervation" Takashi Shimazu, 484 (1996)

  • [文献書誌] Takato UENO: "Cells of the hepatic sinusoid" E.Wisse,D.L.Knook,C.Balabaud (in press), (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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