研究課題/領域番号 |
06454273
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
永武 毅 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (30164445)
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研究分担者 |
苑田 文成 長崎大学, 医学部附属病院, 助手 (50264239)
田尾 操 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (80187913)
宇都宮 嘉明 長崎大学, 医学部附属病院, 助手 (40193916)
大石 和徳 長崎大学, 医学部附属病院, 講師 (80160414)
力富 直人 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教授 (70175032)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 慢性下気道感染症 / 抗炎症メディエーター / interleukin-8 / リコンビナントDNase / 気道上皮細胞 |
研究概要 |
難治性慢性下気道感染症における抗炎症メディエーター療法の基礎的・臨床的研究として、1)気道における好中球遊走因子であるinterleukin-8(IL-8)誘導のメカニズムに関する研究と2)IL-8産生抑制剤による治療の可能性、3)リコンビナントDNaseの膿性喀痰に与える効果について検討を加えた。1)について、気道における重要な産生源として気道上皮細胞を考え、緑膿菌の菌体から気道上皮を刺激しIL-8を誘導する分子量59kDの蛋白を精製した。この59kD蛋白は肺胞マクロファージ、好中球、肺線維芽細胞、肺胞上皮細胞などの呼吸器系細胞においてIL-8を誘導し、慢性緑膿菌性下気道感染症の病態において重要な役割を果たすことが明らかとなった。2)について、in vitroの実験においてステロイド剤は緑膿菌刺激による気道上皮由来のIL-8産生を有意に抑制した。一方、マクロライドの無効であった慢性下気道感染症患者に対し、ステロイド剤(ベクロメサゾン)の吸入療法を継続したところ、患者の喀痰量、喀痰中IL-8濃度、好中球エラスターゼ濃度の低下を認めた。ステロイド剤の吸入療法は気道上皮由来のIL-8産生抑制を介して、気道炎症を緩和し臨床的に有用であることが判明した。3)DNaseを慢性下気道感染症患者の膿性痰に添加すると、喀痰の粘弾性は明らかに低下し、喀痰スメア-中の細胞残渣は消失していた。このことは、喀痰中の細胞残渣の形成に好中球由来のDNAが深く関与することを証明するのみならず、粘稠な喀痰を可溶化し治療薬としての応用が可能と考えられた。
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