研究課題/領域番号 |
06454277
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
水澤 英洋 筑波大学, 臨床医学系神経内科, 助教授 (30144091)
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研究分担者 |
藤田 恒夫 筑波大学, 臨床医学系神経内科, 講師 (30261803)
大越 教夫 筑波大学, 臨床医学系神経内科, 講師 (80203751)
永田 博司 筑波大学, 臨床医学系神経内科, 講師 (10198335)
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キーワード | 運動ニューロン / skein様封入体 / Lewy小体様 / Bunina小体 / ubiquitin / neurofilament / Cu / Zn superoxide dismutase / cathepsin D |
研究概要 |
本年度は、運動ニューロン疾患症例の脊髄標本を用い、各種封入体とくにskein様封入体(SLI)、Lewy小体様ヒアリン封入体(LBHI)およびBunina小体について免疫細胞化学的に検討した。その結果、まずSLIとBunina小体は光顕的にも電顕的にも類似していることが報告されているが、前者がubizuitin陽性、cystatinC陰性であるのに対して後者はubiquitin陰性、cystatinC陽性であり、両者はそのmolecular natureが異なることが明らかとなった。多数のフィラメント状のSLIが集合したような集簇型SLIはしばしばヒアリン封入体と混同されるが、ubiquitin陽性所見は共通するものの、neurofilament、Cu/Zn superoxide dismutaseともに陰性であり、その molecular natureはやはりLBHIとは異なる。また、SLIは超微形態的にはリソゾーム系の関与が疑われているが、リソゾーム系酵素としてのcathepsinDはとくに強い関連はなく、ubiquitin systemの方とより強く関係していると思われた。一方、SLIは単一のフィラメント状のものから、それらがnetworkを形成したり、さまざまな程度に集簇したものまで種々の生成段階がみられたが、いずれもubiquitin化はされているものの、ubiquitin C terminal hydrolaseやproteasomeはほとんど陰性であり、このubiquitin systemはdefectiveである可能性が示唆された。これらの結果は、一部業績欄に示すように、平成6年度に第35回日本神経学会(福岡)、8th International Congress on Neuromuscular Diseases(Kyoto),12th International Congress of Neuropathology(Toronto)などで一般演題あるいは招待講演として発表された。現在さらに、家族性ALSにおけるLBHIと孤発性ALSにおける「ヒアリン封入体」との異動も含めて検討を進めている。なお、関連する研究として、Alzheimer病の分子遺伝学的研究や、蓄積物質の研究、HTLV-Iによる神経障害の動物モデルの研究などでも進展がみられた。
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