研究課題/領域番号 |
06454278
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山村 安弘 広島大学, 医学部, 助教授 (10106388)
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研究分担者 |
片山 禎夫 広島大学, 医学部附属病院, 助手 (00211160)
川上 秀史 広島大学, 医学部, 助手 (70253060)
郡山 達男 広島大学, 医学部, 助手 (80195693)
三森 康世 広島大学, 医学部, 助手 (50166112)
中村 重信 広島大学, 医学部, 教授 (30026843)
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キーワード | パーキンソニズム / 若年発症 / 常染色体劣性 / 日内変動 / 黒質 / パーキンソン病 |
研究概要 |
日内変動を呈する常染色体劣性若年発症パーキンソニズム(AR-EPDF)の臨床的特徴を明らかにするため、40歳未満発症のパーキンソニズム患者57例の症候を分析した。日内変動の少ないA群(26例)と明らかに日内変動の見られるB群(31例)の2群について、家族歴を持つものは、各々23%、71%であった。発症時年齢は、A群で32.6歳で年齢と共に増加し、B群で24.1歳と若く1峰性の分布をとった。性別では、A群で男女比1:0.73、B群で1:3.4、ジストニアは、A群で42.3%、B群で77.4%、深部反射亢進は、A群で53.8%、B群で83.8%、レボドーパ治療に対してA群では重大な副作用なくB群で全例にジスキネジアが見られた。病気の進行は、B群の方が緩やかだった。以上のようにAR-EPDFは、単にパーキンソン病が早期に発症したものではなく、若年発症パーキンソン症候群のなかでも、臨床的に特異な1群を形成することを明らかにした。AR-EPDFの剖検脳では、その病理学的変化の主座は黒質にあり、緻密層腹外側部でメラニン含有細胞は著明に減少し残存するものは萎縮性でLewy小体はなかった。遊離メラニンとグリオーシスをともなっていた。神経細胞にメラニンが少なかった。腹側被蓋域は比較的よく保たれ、青斑核の変化は、黒質に比較すると軽く、縫線核とマイネルト核はよく保たれていた。臨床像と病理像の両方面の際だった特異性により、AR-EPDFは1疾患単位として位置付けられた。
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