研究課題/領域番号 |
06454286
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
栗原 裕基 東京大学, 医学部(病), 助手 (20221947)
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研究分担者 |
児玉 龍彦 東京大学, 医学部(病), 助手 (90170266)
永井 良三 群馬大学, 医学部, 教授 (60207975)
石川 隆俊 東京大学, 医学部(医), 教授 (30085633)
熊田 衛 東京大学, 医学部(医), 教授 (00110487)
矢崎 義雄 東京大学, 医学部(病), 教授 (20101090)
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キーワード | エンドヤリン1 / ジーンターゲティング / ノックアウト・マウス / 先天性疾患 / 血圧 / トランスジェニック・マウス / 神経堤細胞 / 発生 |
研究概要 |
平成7年度の研究において、研究代表者らが既に樹立したET-1欠損マウスのホモ接合体が胎生期の鰓弓・心血管系の形態形成に異常をきたすこと、ヘテロ接合体ではET-1産生の低下に伴って血圧が上昇することから、ET-1の形態形成・循環器疾患の病態における役割について解析してきたが、(1)形態形成に関する研究ではET-1遺伝子欠損マウス胎仔の各種形態形成関連遺伝子のin situ hybridizationによりET-1の下流にある遺伝子の存在が明らかにされ、鰓弓や心血管発生における遺伝子間の相互作用の研究へと大きな展望が開けたこと、(2)血圧上昇に加えて呼吸調節やストレス反応性の異常がET-1欠損マウスに見いだされ、ET-1の中枢神経機能における役割がクローズアップされてきたこと、の2点が大きな進展であった。特に、本研究を通して、鰓弓や心血管系の形成に主要な役割を示す神経堤細胞の発生分化機構において、ET-1が形態形成に重要な上皮-間葉相互作用の介在因子として働いている可能性が明らかにされ、されに、ホモ接合体の表現型とCATCH22などの先天性疾患との類似性から、本研究がこれらの疾患の原因遺伝子解明や新しい治療法の開発への手掛かりとなる可能性がせ示唆された。さらに我々は、ET-1遺伝子プロモーター領域を用いた血管壁選択的遺伝子発現系の確立とこれを用いたET-1過剰発現マウスの樹立に最近成功し、現在その病態解析を進めている。ET-1遺伝子欠損マウスとET-1過剰発現マウスを併せた総合的解析により、ET-1の病態生理的意義をさらに明らかにできることが期待される。
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