研究課題/領域番号 |
06454287
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 群馬大学 (1995) 東京大学 (1994) |
研究代表者 |
永井 良三 群馬大学, 医学部, 教授 (60207975)
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研究分担者 |
中村 哲也 群馬大学, 医学部, 助手 (10272238)
新井 昌史 群馬大学, 医学部, 助手 (60270857)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 再狭窄 / 動脈硬化 / 平滑筋 / ミオシン / SMemb / SM1 / 2 / 遺伝子 / 転写因子 |
研究概要 |
動脈硬化病変では、中膜平滑筋が内膜へ遊走・増殖し、血管内腔の狭窄をきたす。健常な動脈の中膜に存在する平滑筋細胞は細胞周期の静止期にあって筋フィラメントに富むが(収縮型平滑筋)、遊走増殖を始めると粗面小胞体やゴルジ体が豊富で、細胞外マトリックスの分泌が盛んとなり、筋フィラメントを失う(合成型平滑筋)。血管平滑筋の合成型形質への変換において、平滑筋特異的なミオシン重鎖(SM1とSM2)の発現が抑制され、胎児期平滑筋で発現する細胞骨格(非筋細胞型ミオシン重鎖SMemb)の発現が亢進する。 本研究ではSMemb遺伝子とSM1/2遺伝子の両者を単離し、それぞれの活性化に必要なエレメントとSMemb遺伝子に結合する転写因子のクローニングを行った。SMemb遺伝子は転写開始の上流-100bp付近に重要なエレメントが存在し、サウスウエスタン法によってZn fingerドメインをもつBTEB2と、ホメオ蛋白であるHexの2種類が単離された。そのうちBTEB2についてはSMemb遺伝子の転写活性を亢進させる作用が確認された。なお、平滑筋細胞におけるSMemb発現は、冠動脈硬化巣の拡張術後に生ずる再狭窄病変において認められ、ミオシン重鎖遺伝子発現のスイッチングが臨床的にも平滑筋形質変換の分子マーカーになることが示された。 SM1/2遺伝子については-90bp付近のCCTCCCエレメントが転写の活性化に重要であることが明らかになったが、平滑筋特異性については更に検討が必要であった。
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