研究課題/領域番号 |
06454288
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小室 一成 東京大学, 医学部(病), 助手 (30260483)
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研究分担者 |
塩島 一郎 東京大学, 医学部(病), 医員
黒尾 誠 東京大学, 医学部(病), 医員
山崎 力 東京大学, 医学部(病), 助手 (60251245)
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キーワード | 心臓 / ホメオボックス / 心房性ナトリウム利尿ペプチド / 脳型クレアチンキナーゼ / 転写調節 |
研究概要 |
我々は心臓の分化・発生の上で重要な遺伝子として心筋特異的ホメオボックス遺伝子(CSX)を単離した。ノックアウトマウスの実験結果よりホ乳類の心臓の発生にとってCSXが必須であることが明らかとなった。そこで我々は、心臓の発生、分化にとって重要な種々の分子を明らかにするために、ヒトCSX遺伝子の上流・下流の分子を解析した。 (1)上流の解析 ヒトCSX遺伝子は、2つのエクソン及び1つのイントロンより形成されており、CSXの3つのcDNAアイソフォームは選択的スプライシングにより形成されることが明らかとなった。約1kbのプロモーター領域をルシフェラーゼ遺伝子に接続し、種々の培養細胞に導入したところ、ラット新生仔培養心筋細胞のみ高い転写活性を認めた。 次にこのプロモーターの領域を5'側より欠失させ心筋特異的な領域を決定したところ-110bp付近に存在する20bpの配列が重要であることが明らかとなった。この部分のDNAをプローブにしてゲルシフトアッセイを行なったところ心筋の核抽出物中に結合する蛋白の存在することがわかった。 (2)下流の解析 α型・β型ミオシン重鎖、骨格筋型及び心筋型アクチン、トロポニン、筋型(MCK)及び脳型(CKB)クレアチンキナーゼ、心房性Na利尿ペプチド(ANP)、脳型Na利尿ペプチドなどの遺伝子の内、CSXによりANP、CKBの遺伝子の転写が亢進した。現在CSXにより転写の亢進に必要なANPのプロモーター領域を200bp前後にまでしぼっている。
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