研究課題/領域番号 |
06454288
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小室 一成 東京大学, 医学部・付属病院, 助手 (30260483)
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研究分担者 |
塩島 一郎 東京大学, 医学部・付属病院, 医員
黒尾 誠 国立精神神経センター, 研究員
山崎 力 東京大学, 保健センター, 講師 (60251245)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | 心臓 / ホメオボックス / 心房性ナトリウム利尿ペプチド / 脳型クレアチンキナーゼ |
研究概要 |
我々は心臓の分化・発生の上で重要な遺伝子として心筋特異的ホメオボックス遺伝子(CSX)を単離した。心臓の発生、分化の機序を明らかにするために、ヒトCSX遺伝子の上流・下流及び会合する分子を解析した。 (1)上流の解析 ヒトCSX遺伝子は、2つのエクソン及び1つのイントロンより形成されており、CSXの3つのcDNAアイソフォームは選択的スプライシングにより形成されることが明らかとなった。約1kbのプロモーター領域は心筋細胞でのみ高い転写活性を示したが、特に-110bp付近に存在する20bpの配列が重要であり、この部分に結合する蛋白が、心筋の核抽出物中に存在することがわかった。 (2)下流の解析 心筋に発現している種々の遺伝子の内、CSXにより心房性Na利尿ペプチド(ANP)、脳型クレアチンキナーゼ(CKB)の遺伝子の転写が亢進した。CSXによる転写の亢進に必要なANPのプロモーター領域には、CSXの結合配列が存在した。またその近傍には、ジンクフィンガーモチーフをもつ転写因子であるGATA4の結合する配列が存在した。 (3)会合する分子の解析 CSXはGATA4と協調的にANPの転写活性を亢進させることより、CSXとGATA4の会合について解析した。CSXはそのホメオドメインにより、GATA4のジンクフィンガードメインと会合することが明らかとなった。以上のように、心筋特異的ホメオボックス遺伝子CSXの解析により、心臓の分化の機序について多くのことが明らかとなった。
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