研究課題/領域番号 |
06454292
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
横山 光宏 神戸大学, 医学部, 教授 (40135794)
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研究分担者 |
末松 正邦 神戸大学, 医学部・付属病院, 助手 (90240853)
川嶋 成乃亮 神戸大学, 医学部, 助手 (10177678)
川原 康洋 神戸大学, 医学部・付属病院, 講師 (80169755)
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キーワード | 血管内皮細胞 / 内皮由来血管弛緩因子 / 低比重リボ蛋白質 / 高比重リボ蛋白質 / NO合成酵素 / プロテインキナーゼC / リゾホスファチジツコリン / 細胞内Ca^2濃度 |
研究概要 |
本研究は血管内皮細胞NO合成酵素(cNOS)のタンパク質、遺伝子レベルでの調節機構について検討した。 1.内皮細胞NO合成酵素のリン酸化による活性調節機構 ウシ大動脈培養内皮細胞よりNOSを精製し、protein kinase C(PKC)およびcAMP dependent protein kinase(PKA)によるリン酸化について検討した。NOSはPKCおよびPKAによってリン酸化された。NOSはPKCによってその活性が抑制されたが、PKAには影響されなかった。 2.内皮細胞NO合成酵素のミリスチン酸による翻訳後修飾の意義 我々は,変異cNOS遺伝子をCOS-7細胞に遺伝子導入し,血管内皮細胞cNOSのミリスチン酸による翻訳後修飾の意義について検討した.内皮細胞cNOSは細胞膜分画に存在したがミリスチン酸のないmutantNOSは細胞質分画へ移行した。細胞外へのNO放出量はwild type NOSが変異NOSに比べて高値を示した。以上より、内皮細胞のNOSは細胞膜に存在し、NOを効率よく細胞外に放出することが明らかとなった。 3.内皮細胞NOSmRNAの脂質、動脈硬化による発現調節機構 ウシ大動脈培養内皮細胞を用いてNOSmRNAの発現調節機構を検討した。インターフェロンα/βはNOSmRNAを転写レベルで亢進させ、一方、TNF-αはcNOSmRNAを不安定化させ、cNOSmRNAを減少させた。また、動脈硬化の発症に重要な酸化LDLはcNOSmRNA発現を増加させたが、LDLおよびHDLはcNOS発現に影響しなかった。さらに、酸化LDL中に増加するリゾフォスファチジルコリン(LPC)はcNOSmRNA発現を2.6倍に増加させた。したがって、動脈硬化巣で増加する酸化LDLやLPCなどの脂質がcNOSの遺伝子レベルでその発現の制御に重要な役割をはたしていると考えられた。
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