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1994 年度 実績報告書

三次元培養の新生仔ラット肝細胞を用いた肝内胆汁うっ滞機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 06454300
研究種目

一般研究(B)

研究機関鳥取大学

研究代表者

白木 和夫  鳥取大学, 医学部, 教授 (60010229)

研究分担者 長田 郁夫  鳥取大学, 医学部附属病院, 助手 (50252846)
河野 由美  鳥取大学, 医学部附属病院, 助手 (50243390)
キーワード肝内胆汁うっ滞 / 新生児 / 新生仔 / 培養肝細胞 / スフェロイド肝細胞 / 毛細胆管 / エストラジオール / EGF
研究概要

平成5年度に確立した、新生仔ラットの多層球状体培養肝細胞(以下スフェロイド肝細胞)に1)催胆汁うっ滞薬剤であるエストラジオール(E2)、2)上皮増殖因子(EGF)、3)アクチン阻害剤のサイトカラシンBを添加し、毛細胆管(BC)の形成および形態に対する影響を透過型、走査型電顕的に観察した。また、蛍光抗体法をもちいてBCを構成する重要な細胞骨格であるアクチンを観察した。
E2の添加によりスフェロイド肝細胞間に形成されたBCは拡張し、BC周囲の微絨毛の軽度減少が認められた。肝細胞内器官、特にアクチンの形態、分布には明らかな変化は認めなかった。肝細胞の増殖を促進することが知られているEGFの添加では、肝細胞間のBCの減少を認め、BCの形成抑制が示唆された。アクチンは肝細胞膜直下に細胞全周にわたり一様に分布し、BC周囲への集積が認められなかった。アクチンの重合阻害剤であるサイトカラシンBの添加により、微絨毛の減少を伴うBCのバルーン状の著しい拡張が認められ、このBC拡張はE2添加とは異なり、細胞膜直下のアクチンの断裂、部分的過剰集積を認めた。スフェロイド肝細胞自体の形態、細胞間接着にも変化が見られた。
E2、EGFは母乳中に比較的高濃度に存在することが知られている。これらのホルモン、成長因子が新生仔の肝細胞のBC形成、形態に変化をきたすことがスフェロイド肝細胞培養系をもちいて明らかになった。更に、BCを構成し、胆汁排泄のための収縮機能をつかさどるといわれるアクチンの分布への影響も示唆された。来年度では母乳を直接添加、クロマトグラフィーにより分画した母乳成分の添加した際のBCの形態変化を、肝細胞機能への影響とあわせて検討し、新生児期における母乳による肝内胆汁うっ滞の病態生理をスフェロイド肝細胞培養系をモデルとして考察する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yumi KOHNO,Maki FUKUNAGA,Kazuo SHIRAKI,Tetsuo MURA: "Effects of human neonatal serum on DNA synthesis in Suckling and adult rat hepatocytes in primary culture" Acta Paediatrica Japonica. 36. 465-471 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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