研究課題/領域番号 |
06454300
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
白木 和夫 鳥取大学, 医学部, 教授 (60010229)
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研究分担者 |
長田 郁夫 鳥取大学, 医学部・付属病院, 助手 (50252846)
河野 由美 鳥取大学, 医学部・付属病院, 助手 (50243390)
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キーワード | 培養肝細胞 / 新生仔 / 新生児 / 胆汁うっ滞 / スフェロイド肝細胞 / 毛細胆管 / 母乳 / 上皮増殖因子 |
研究概要 |
成熟ラット肝細胞と同様に新生仔ラット肝細胞もポリ-2ヒドロキシエチルメタクリートを塗布した培養皿で培養するとドーム状の多層集合体(スフェイド)を形成した。アルブミン分泌能を抗ラットアルブミン特異的抗体を用いたEIA法により定量した結果、従来のコラーゲンコート培養皿上の培養では培養開始後2、4、7日で各々9.4±1.8、4.8±1.2、1.7±0.9μg/24h/mg proteinと経過に従い低下したのに対し、スフェロイド培養では各々4.07±0.6、6.2±1.1、6.8±1.3μg/24h/mg proteinとアルブミン分泌能が維持された。更に培養開始14日では前者ではアルブミンは培養液中に検出されなかったのに対し、後者では5.4±1.3μg/24h/mg proteinの分泌能を維持していた。また、スフェロイド培養法のほかに、ゲル状のコラーゲンで肝細胞を両側からはさんだ3次元構造をもつコラーゲンゲルサンドイッチ培養法においても、14日間にわたりスフェロイドと同程度のアルブミン分泌能を維持していた。 3週間の培養経過中に隣接する細胞間に毛細胆管様の構造がactin染色により認められ、蛍光色素の排泄も確認された。催胆汁うっ滞因子のエストラダイオール(E_2-17β,10 or 100μM)添加によりこれらの毛細胆管様の構造の円形の拡張が認められた。 これらの結果から、スフェロイド培養法により新生仔ラット肝細胞はアルブミン分泌、胆汁分泌を長期にわたり維持することが明らかとなった。コラーゲンゲルサンドイッチ培養法でも同様の結果が得られたことから、細胞外マトリックスと肝細胞の相互作用による肝細胞の3次元構築が肝特異機能の発現に重要であると考えられた。
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