研究概要 |
A群色素性乾皮症(XP)における臨床症状の差異を検討するために、他のDNA修復蛋白質とXPA蛋白質との相互作用をまず酵母のtwo-hybrid systemによつて検討したところ、ERCC(excision repair cross complementing)1蛋白質との間に相互作用を認めた。XPA,ERCC1蛋白質間の相互作用をトランスフォーマントのβ-galactosidaseの活性で検討したところ、ERCC1、XPA4-129の組み合わせにおいてβ-galactosidaseの活性の上昇を認めた。そこでin vitroの実験系においてこの相互作用を確かるために、GST融合蛋白質としてXPA、ERCC1蛋白質を大腸菌の系にて発現させ、それぞれHeLe細胞の抽出液および精製したXPA蛋白質との結合の有無を検討したところin vitroにおいてもXPA、ERCC1蛋白質の直接的な相互作用を認めた。またXPA蛋白質のN末端のE-cluster regionがERCC1蛋白質との相互作用に関与しているとも明らかにした。フィルターバインデイングアッセ-によりERCC1蛋白質の存在下でXPA蛋白質のDNA結合能は、高まるがE-cluster regionを含む蛋白間の相互作用部位を欠損したXPA蛋白質(しかしこの蛋白質のDNA結合能は、保持されている)では、ERCC1蛋白質が共存しても、そのDNA結合能は、変化しないことも明らかにできた。
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