研究分担者 |
田畑 伸子 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (00270835)
堀内 令久 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (20260432)
照井 正 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (30172109)
相馬 節也 東北大学, 医学部, 講師 (80159269)
加藤 泰三 東北大学, 医学部, 助教授 (20004898)
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研究概要 |
近年の治療の進歩により、乾癬病変形成にはCD4+Tリンパ球を中心とした免疫反応によって引き起こされる慢性皮膚炎の状態が基本的をなすことが明らかとなった。しかし、単なる慢性皮膚炎とことなり、乾癬病変部ではさらに特徴的な白血球の表皮、角層への遊走がが観察される。この現象にはおもに補体由来のC5aとケモカインのIL8とか関与していると考えられている。 IL8は表皮ケラチノサイトによっても産生される。一方C5aは体液の補体が角層により傍系路を介し活性化されることが私たちの研究成果からは想定されてきた。この補体傍系路の中心をなすのはC3が、IL8と同様に表皮のケラチノサイトによっても産生されるかを、検討してみた。 まず、ケラチノサイトがC3を産生しうることを確かめたあと、培地のCaイオン濃度を変え、細胞の分化と増殖の程度がどう影響しうるのかを調べた。その結果、Caイオン濃度を上げケラチノサイトの分化を促すことにより、C3産生がたかまる、すなわち、生体内ではC3は表皮上層で産生されやすいということを認めた。 ついで、乾癬病変形成にはTリンパ球を中心とした細胞性免疫反応に関係するサイトカインが影響しうるため、IL-1-alpha,-beta,IL-2,3,4,5,6,7,8,10,TNF-allpha,INF-alpha,INF-beta,INF-gamma,GMCSF,さらには細胞成長因子であるTGF-alpha,TGF-beta1の効果を検討した。最終的に、IL-1-alpha,-beta,TNF-allpha,INF-gammaが、とくにTNF-allphaとINF-gammaが強い影響を与えることを確かめた。その後の検討で両者は違った細胞内のシグナル伝達を介し、C3の産生を促すこと、両者は相乗的に効果を発現しうることを観察した。
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