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1995 年度 実績報告書

ポジトロン断層による腫瘍再発予知診断法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 06454320
研究機関東北大学

研究代表者

窪田 和雄  東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (40161674)

研究分担者 山田 進  東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (70182532)
キーワードポジトロン断層 / 腫瘍診断 / ^<14>Cメチオニン(Met) / ^3Hチミジン(Thd) / ^<18>Fフルオロデオキシグルコース(FDG) / 放射線治療
研究概要

我々はこれまでの研究で、ポジトロン断層断層による腫瘍診断薬剤^<18>Fフルオロデオキシグルコース(FDG)、^<11>C(^<14>C)メチオニン(Met)、^<11>C(^3H)チミジン(Thd)の腫瘍集積が、どのように放射線治療に反応するかを明らかにすると共に、癌細胞の増殖とFDGの集積の関係を解析した。本年は、Metの腫瘍集積とフルオロデオキシグルコースとの比較について研究を行った。
^<14>CMetをマウスに投与後、2種の腫瘍FM3AとMH134を経時的に摘出し、酢酸エタノールによりタンパクを固定し、更に石渡らの方法で各分画の放射能を測定した。投与60分後には酸不溶性分画に取り込まれた放射能の平均は47%に達しプラトーとなった。この内のタンパクは平均67%、残りは脂質、RNA、DNAであった。これらの割合は、腫瘍組織丸ごとでも、スライドグラス上の切片でも同様であった。そこで、オートラジオグラフィ上で腫瘍内の各細胞性分について調べたところ生存癌細胞への集積は投与1時間後で平均88%が酸不溶性分画に取り込まれるのに対し、肉芽組織やマクロファージなど間質ではほとんどが可溶性分画にあることがわかった。また、トータルの^<14>Cの集積も存在癌細胞に最も多く集まり、肉芽組織、マクロファージなどへの集積は存在癌細胞の3-4割程度であり、^<14>CMetの腫瘍集積は存在癌細胞特異的であることがわかった。
この結果を以前報告したFDGの腫瘍集積と比較すると、FDGのマクロファージへの集積は癌細胞の2倍、肉芽組織への集積も癌細胞より高く、FDGが癌細胞と間質の両方に非特異的に集積する薬剤である。二重標識オートラジオグラフィにても両者の腫瘍内分布のパターンは明らかに異なっていた。一方FDGは、増殖の早い腫瘍と遅い腫瘍への集積の差が^<14>CMetよりも大きく、悪性度の違いを検出するのに優れていた。FDGは治療前の診断、特に悪性殿診断に向いている薬剤であるのに対し、^<11>CMetは治療後に生じる炎症反応の影響をあまり受けず、腫瘍細胞特異性が高いため治療評価に向いていることが明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kubota K.et al: "Effects of radiotherapy on the cellular uptake of C14Lmethionine" Nuclear Medicine and Biology. 22. 193-198 (1995)

  • [文献書誌] Yamada S,Kubota K,et al: "High accumulation of 18FFDG in inflammatory tissue" Journal of Nuclear Medicine. 36. 1301-1306 (1995)

  • [文献書誌] Kubota K,Yamada S,et al: "PET imaging of primary mediastinal tumours" British Journal of Cancer. 73(in press). (1996)

  • [文献書誌] Kubota K,Yamada S,et al: "F18-fluorophenylalanine,possibililty for rumor imaging" Journal of Nuclear Medicine. 36. 72p (1995)

  • [文献書誌] Yamada S,Kubota K,et al: "Effect of blood glucose on 18FFDG uptake in inflammation" CTRIC Annual report. 1994. 126-128 (1995)

  • [文献書誌] 窪田和雄: "PETによる腫瘍診断" 核医学. 33. 207-212 (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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