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1994 年度 実績報告書

放射線治療における肝細胞増殖因子(HGF)の役割

研究課題

研究課題/領域番号 06454325
研究機関大阪大学

研究代表者

井上 俊彦  大阪大学, 医学部, 教授 (70028512)

研究分担者 大関 修治  大阪大学, 遺伝情報実験施設, 助手 (80093384)
中村 敏一  大阪大学, 医学部, 教授 (00049397)
キーワードHGF / 放射線治療 / 全身照射 / 動物実験 / 子宮頚癌
研究概要

1、細胞レベル:種々の細胞に対して放射線照射を行い、正常細胞に対する保護作用ならびに腫瘍細胞に対する増感作用を検討した。CHO,Hela,V79,keratinocyte,KBを使用した。CHOおよびV79ではHGFは濃度依存的に細胞の増殖を抑制した。放射線照射を行うといずれの細胞においてもHGF添加による変化は認められず、HGFの放射線増感作用、障害防止作用は認められなかった。また肝細胞の初代培養を利用して放射線の影響を検討した。培養上清中のGOT推移を検討したところ放射線照射によるGOT遊離の促進はみとめられなかった。また^<125>I放射ヨウド化デオキシウリジンの取り込みを利用してDNA合成を検討した。放射線照射は、HGFにより促進された初代培養肝細胞のDNA合成を抑制した。
2、動物レベル:ラット全身照射後の組織中HGFをELIZAキットを使用して測定した。照射後は1週間、2週間と時間経過とともに組織中(肝、腎、肺)HGFは上昇した。現在mRNAの測定をノーザンブロットによって行っている。
3、臨床レベル:放射線治療中の患者の血清レベルでのHGFをELIZAキットを使用して測定した。対象は子宮頚癌の患者3人。全骨盤照射および膣内照射の前後の血清中HGFを測定したが有意な変動は認められなかった。現在対象を変更して胸部照射におけるHGFの変動を検討中である。
以上より動物レベルでは放射線照射によってHGFの組織内濃度は上昇する。しかしHGF自体では細胞レベルで放射線の効果を増感ないし抑制することはなかった。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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