研究課題/領域番号 |
06454338
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森 徹 京都大学, 医学研究科, 教授 (40026894)
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研究分担者 |
小杉 眞司 京都大学, 医学研究科, 助手 (50252432)
赤水 尚史 京都大学, 医学研究科, 助手 (20231813)
須川 秀夫 京都大学, 医学研究科, 講師 (70162857)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | TSH受容体 / 自己免疫疾患 / バセドウ病 / HLA / イムノグロブリン遺伝子 / TSH受容体抗体 / エピトープ / 自己免疫性TSH受容体疾患 |
研究概要 |
自己免疫性TSH受容体疾患の概念、成因および自己免疫機構について研究し、以下の成果を得た。 1.自己免疫性TSH受容体疾患の概念 RFLP法を用いたHLA分析で、バセドウ病と橋本病がDP領域に有意差があることを先に報告したが、ブロッキング抗体による低下症がバセドウ病の類縁であり、特発生機能低下症と著差を示すこと、バセドウ病甲状腺上皮にDPの強い発現を認めることから、自己免疫性TSH受容体疾患の概念を確立した。 2.成因 TSH受容体抗体産生機構を分析し、TおよびBリンパ球のエピトープの多様性を認めた。さらに、TSH受容体上のNo.355の近辺部位が受容体抗体産生に重要であること、この部位を削除したcDNAによって受容体の持続的活性化がおこることを認めた。この部位に合致する合成ペプチドを用いたモノクローナル抗体を作成し、刺激抗体およびブロッキング抗体が産生されることを認めた。 3.抗体イムノグロブリン遺伝子の解析 患者Bリンパ球のクローニングを行い、バセドウ病の刺激抗体とTSH結合阻害抗体が異なったリンパ球の産物であるこ、ブロッキング抗体による低下症では結合阻害抗体が全てブロック作用を示し、一部後者のみのクローンがあることを認めた。各々のイムノグロブリン遺伝子を解析し、さらに得られたV_H、V_Kをマウスミエローマ細胞に導入して、刺激抗体を人工的に作成し得た。 4.自己免疫機構の分析 本邦における自己免疫性TSH受容体疾患は、HLA-DPと関連が深く、これを介したTリンパ球活性化が示唆された。受容体抗体はNo. 355近辺部位が先ず感作され、次いでデタ-ミナントスプレディングがおこって刺激抗体やブロッキング抗体が産生されると推定された。
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