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1994 年度 実績報告書

新規降圧ホルモン“アドレノメデュリン"の発現,分泌調節機序と受容体解析

研究課題

研究課題/領域番号 06454344
研究機関国立循環器病センター

研究代表者

寒川 賢治  国立循環器病センター研究所, 生化学部, 部長 (00112417)

研究分担者 児島 将康  国立循環器病センター研究所, 生化学部, 室員 (20202062)
キーワードアドレノメデュリン(AM) / 降圧ペプチド / 発現,分泌調節機序 / 受容体解析 / 培養血管内皮細胞(EC) / 培養血管び平滑筋細胞(VSMC) / 循環ホルモン / 局所因子
研究概要

アドレノメデュリン(AM)のmRNA発現は、ラットでもヒトの場合と同じく、検討したうち肝臓を除く全組織で発現しており、肺,腎臓,心房,心室といった組織でも、副腎に匹敵する発現が認められた。さらに、AMラットの培養血管内皮細胞(EC)及び平滑筋細胞(VSMC)において非常に多量に発現,分泌されていることが判明した。特にECでのAMmRNAの発現は、副腎の約20倍以上にも達していた。一方、血管組織でもAMmRNAは発現していることが明らかになり、ラット胸部大動脈での発現量は腎臓や心室に匹敵する量であった。
また、ラットECからのアドレノメデュリンの分泌は、血管内皮由来の血管収縮因子であるエンドセリン-1に匹敵した。これらの細胞からの分泌は、constitutiveな分泌であることから、発現調節により制御されているものと考えられる。平滑筋細胞での発現,分泌は、IL-1αおよびβ,TNF-αおよびβやリポポリサッカライド(LPS)による刺激で約3〜5倍増加することを明らかにした。
AMはラットVSMCに対してCGRPと同様にcAMPを増加させ、EC_<50>はCGRPが8.5nM,AMが20nMであった。さらに、[^<125>I]AMを用いたレセプター・バインディグアッセイにより、ラットVSMCにはAMに特異的な受容体が存在することが明らかになった。AMによる血管拡張作用も、この受容体を介した血管平滑筋細胞内のcAMP増加によるものと考えられる。
以上のことから、AMは循環ホルモンとしてのみならず、血管壁においてはエンドセリンやCNPと同様にoutocrineやparacrineの局所因子としても機能して、トーヌスの調節に関与しているものと推測される。
今後アドレノメデュリン及びPAMPの生体内での役割をさらに明らかにすることにより、新しい循環調節機構が解明されるものと期待される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ishizaka,Y.,et al.: "Adrenomedullins timulates cyclic AMP formation in rat vascular smooth muscle cells." Biochem.Biophys.Res.Commun.200. 642-646 (1994)

  • [文献書誌] Ichiki,Y.,et al.: "Distribution and characterization of immunoreactive adrenomedullin in human tissue and plasma." FEBS Lett.338. 6-10 (1994)

  • [文献書誌] Kitamura,K.,et al.: "Immunoreactive adrenomedullin in human plasma." FEBS Lett.341. 288-290 (1994)

  • [文献書誌] Sugo,S.,et al.: "Endothelial cells actively synthesize and secrete adrenomedullin." Biochem.Biophys.Res.Commun.201. 1160-1166 (1994)

  • [文献書誌] Sugo,S.,et al.: "Production and secretion of adrenomedullin from vascular smooth muscle cells:Augmented production by tumor necrosis factor-α." Biochem.Biophys.Res.Commun.203. 719-726 (1994)

  • [文献書誌] Ishimitsu,T.,et al.: "Plasma levels of adrenomedullin,a newly identified hypotensive peptide,in patients with hypertension and renal failure." J.Clin.Invest.94. 2158-2161 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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