研究課題/領域番号 |
06454348
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
原田 実根 岡山大学, 医学部, 教授 (00019621)
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研究分担者 |
豊嶋 崇徳 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (40284096)
品川 克至 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (00273988)
石丸 文彦 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (50284097)
大本 英次郎 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (50213864)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | 末梢血幹細胞 / G-CSF / 同種末梢血幹細胞移植 / 健常人ドナー / 急性GVHD / 慢性GVHD / VNTR解析 / 同種骨髄移植 |
研究概要 |
昨年度報告書では、同種末梢血幹細胞移植(allo-PBSCT)のpilot studyを施行し、同種骨髄移植(allo-BMT)の代替法としての可能性を示した。健常人ドナーに対するG-CSF至適投与量はG-CSF5μg/kgの1日2回(連続5日間皮下投与)であることを報告したが、さらに簡便な投与法確立への試みとして、G-CSF10μg/kgの1日1回投与法との比較検討を行った。また8例の造血器悪性腫瘍に対してprimaryallo-PBSCTを実施し、生着、急性及び慢性GVHD、移植関連合併症など、allo-PBSCFの有効性、安全性について検討を行った。 G-CSF1回投与群6例と2回投与群6例の比較では、採取されるPBSC数は両群間に有意差はなく、生着に必要な5.0×10^6/kg以上採取可能であった。副作用に関しては骨痛等の自覚症状、白血球増加及び血小板減少も差はなく、ドナーへの負担軽減と採取手技の簡便化を考慮すると1回投与法が有利であることが示された。8例のprimaryallo-PBSCTの検討では、移植細胞数はCD34陽性細胞として4.2〜19.7×10^6/kgであり全例にVNTR解析による生着が確認された。血液学的回復は、好中球500/μl以上の回復に9〜17日(中央値12日)、血小板20,000/μl以上(輸血非依存性)の回復に13〜25日ときわめて速やかな造血回復が得られ、患者管理は容易であった。急性GVHDは評価可能な7例中3例に見られ、grade I 1例、grade II 2例(2例ともskin lesionのみ)であった。移植後150日以上生存した4例では、慢性GVHDは2例(2例ともextensive form ; 1例はdenovo type、もう1例はquiescentype)にみられている。移植後観察期間100〜450日で8例中6例が無病生存中である。 今年度までの検討では、allo-PBSCTはallo-BMTに比し生着は速やかで、急性及び慢性GVHDの頻度増加や重症化は見られず、allo-BMTの代替法としての意義が確立されつつある。今後免疫学的回復及び長期の臨床効果に関して検討が必要である。
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