研究課題/領域番号 |
06454352
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
折田 義正 大阪大学, 医学部, 教授 (70028398)
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研究分担者 |
守山 敏樹 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
和田 晃 大阪大学, 医学部, 助手 (50252648)
今井 圓裕 大阪大学, 医学部, 助手 (00223305)
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キーワード | 糸球体腎炎 / 腎生検 / メサンギウム細胞 / 形質変換 |
研究概要 |
(1)大阪大学医学部附属病院において施行した腎生検についてα-smooth actin(SMA)、胎児型ミオシン重鎖(SMemb)の染色性を検討している。これまでのところメサンギウム増殖の認められる症例での染色性はSMemb>SMAとなる傾向が明らかとなり、SMembがより鋭敏な形質変換の指標となる可能性が示された。今後さらに症例を増やし検討を行うとともに治療前後の腎生検を行う症例に関しても検討し、治療への応答性を組織変化とメサンギウム細胞形質変換の両面から評価する。 (2)ヒト腎生検における検討では形質変換を引き起こす因子の同定が困難である。この点を補うためにラットを用いた動物実験を同時に進めた。組織レニン-アンギオテンシン系の腎局所における亢進がヒト腎炎における増悪因子の一つであると考えられており、この仮説をラットにおいてより直接的なアプローチで検証した。我々が従来行っているHVJリポソームによる腎局所への遺伝子導入法を行い、腎局所にヒトレニン、アンギオテンシンノーゲンを過剰発現させることで腎内レニン-アンギオテンシン系の亢進状態を惹起したところ、遺伝子導入7日後に仁糸球体における細胞外マトリックスの集積およびメサンギウム領域でのtypeIIIコラーゲンの出現、α-smooth muscle actinの発現を確認した。この結果は腎局所におけるレニン-アンギオテンシン系の活性亢進が糸球体細胞の形質変換を直接引き起こすことを示したものである。この成果はBiochim.Biophys.Res.Commun.誌に公表した。
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