研究課題/領域番号 |
06454353
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
腎臓内科学
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
清野 佳紀 岡山大学, 医学部, 教授 (80028620)
|
研究分担者 |
守分 正 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (40243505)
田中 弘之 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (80231413)
神崎 晋 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (90224873)
|
研究期間 (年度) |
1994 – 1995
|
キーワード | ビタミンD受容体 / 遺伝子多型 / 二次性副甲状腺機能亢進症 |
研究概要 |
腎性骨異栄養症の最大の原因は、重度の二次性副甲状腺機能亢進症にあり、その危険因子を把握することは、その発症予防において重度な課題である。本研究では我々が以前に報告した、「高度に進行した二次性副甲状腺機能亢進症では、副甲状腺におけるビタミンD受容体の発現が低下している」という事実に基づき、二次性副甲状腺機能亢進症進展の危険因子としてのビタミンDの作用欠乏状態をさらに詳細に検討した。その結果、免疫染色でビタミンD受容体が低下しているのは、mRNAの発現が低下していることに基づくことが、in situ hybridizationにより明らかになった。このことは、慢性腎不全におけるビタミンD欠乏状態がビタミンD受容体発現量の低い細胞の選択を行っている可能性を示唆する。そこで次に、ビタミンD受容体の発現量を規定すると考えられるビタミンD受容体の遺伝子多型について検討した。慢性腎不全患者におけるビタミンD受容体遺伝子多型の分布は、正常日本人における分布と大きな相違は認めなかった。しかし、副甲状腺摘除を行った患者群と副甲状腺未摘除患者との間には、ビタミンD受容体遺伝子多型の分布に差を認め、イントロン8にBsm1切断部位を有する多型が、摘除群に集積していた。さらに、未摘除患者の透析前の副甲状腺ホルモンの値は、各遺伝子型によって明らかな差を示し、イントロン8のBsm1切断部位を有する遺伝子型を多く持つもの程、高値を示した。これは、ほかの連鎖する多型の解析によっても確認された。これは骨粗鬆症の危険因子と考えられる多型と同様であり、本解析により腎性骨異栄養症の危険因子を把握できるのみならず、老人によく認められる慢性腎不全に伴う副甲状腺機能低下症の危険をも予測しうるものと考えられる。
|