研究課題/領域番号 |
06454360
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鎮西 恒雄 東京大学, 医学部(医), 助手 (20197643)
|
研究分担者 |
満渕 邦彦 先端科学技術研究センター, 助教授 (50192349)
井街 宏 東京大学, 医学部, 教授 (10010076)
藤正 巖 先端科学技術研究センター, 教授 (30010028)
|
キーワード | 表面プラズモン顕微鏡 / 生体適合性材料 / タンパク吸着 / バイオセンサ |
研究概要 |
生体内での人工材料表面へのタンパク吸着は、センサ電極の性能、耐久性を決定する重要な因子である。本研究では、人工材料表面へのタンパク吸着を、人工材料に与えた電界で制御する手法について検討を行っている。なお、人工材料表面へのタンパク吸着量の測定は、以前報告したOptical waveguide Microscopeによる実時間計測を用いた。 試料として、ガラス基板(材質BK-7、直径25mm、厚さ1mm)にクロム(厚み2nm)、金(厚み43nm)を重ねて蒸着し、電極を形成した。さらにこれらの金属薄膜上にポリウレタン(KP-13鐘ヶ淵化学)を約1.5μの厚みでスピンコートし、試料とした。この試料を、対極を設置したキュベットに装着し、キュベットを試料溶液で満たした。試料溶液は、10%PBSおよびアルブミン溶液(4.3g/dl)を用いた。この状態で、双方の電極間の電位を-1000mVから+1000mVまで100mVステップで変化させながら、optical waveguide microscopeでタンパク吸着量の変化を計測した。計測は、次の2条件について行った。 1)キュベットを生理食塩水で満たし、双方の電極間に電圧を印加した状態で、PBSをアルブミン溶液に急速に置換する。 2)両極間の電位を0Vとし、ポリウレタンの表面に吸着したアルブミンの厚みの変化が安定した後に、両極間に電圧を印加する。 PBSからアルブミン溶液への置換では、ポリウレタンがコーティングされている電極を正電圧として、電極間に+500mV以上の電圧を印加した状態では、試料溶液置換後、即座にタンパク吸着が開始し、また電圧による吸着量の立ち上がりの変化は負電圧が高くなるほど促進された。アルブミンがすでに吸着された状態で、両極間に電圧を印加した場合、正負の電圧の高低にかかわらず、アルブミンの吸着量の変化はほとんど検出できなかった。今後、他の血漿タンパクとしてガンマグロブリン、フィブリノーゲンについても検討を加えてゆく予定である。
|