研究課題
一般研究(B)
1.CEA産生培養癌細胞を用いた検討によりPIPLCによるCEA遊出が時間依存性に増加することが確認されたが、潜在的腹膜播種症例に対してCDDP等の術中腹腔内投与を行い得るためには手術時間中に結果が判明することが望ましいため、PIPLCの反応時間は37℃のPB中で120分が適当であるとの結論を得た。胃癌手術症例69例に対して本法(以下PIPLC法)とパパニコロウ染色による腹腔洗浄細胞診および腹腔洗浄液上清中CEA測定法(cut off値5.0ng/ml以下単純CEA法)の結果と比較した。その結果、肉眼的腹膜播種陰性58例中6例がPIPLC法陽性であったが、これら6例中細胞診陽性例は1例であり、単純CEA法陽性例は2例であった。PIPLC法陽性で細胞診陰性であった5例は全例広汎T3症例で、潜在的腹膜播種性転移例と推察された。一方、早期胃癌26例でPIPLC法陽性例は1例もなかった。よってPIPLC法は潜在的腹膜播種性転移の鋭敏な客観的診断法であると考えられた。
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