研究課題/領域番号 |
06454364
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
中村 達 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (00090027)
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研究分担者 |
塚田 秀人 浜松オートニクス(株), 研究員
鈴木 昌八 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (20196827)
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キーワード | 光化学治療 / ポジトロンCT / 癌の診断 / ヘマトポルフイリン |
研究概要 |
ヘマトポルフィリン誘導体(HpD)が腫瘍に集積し、光励起により腫瘍細胞が壊死に陥ることを利用して癌の診断と治療に応用されつつある。本邦で、HpDの一種であるPhotofrin II(Ph2)の臨床使用の認可が下りた。そこで我々はポジトロン放出核種である^<68>GaをPh2に標識して、PETによる癌の診断及び^<68>Ga標識Ph2の体内分布に関して基礎的な研究を行った。また、プラナーイメージングによる腫瘍の画像検出も併せて行った。 結果)1)^<68>GaのPh2への標識率は17.3〜84.7%(46.4±21.1%)であった。2)^<68>Ga標識Ph2投与後6-12時間の体内分布は肝>脾>腎>腫瘍>血液>肺>腸内容>尿>小腸>心>皮膚、の順であった。腎では急速に低下し、肝、脾では高い集積が認められ、腫瘍では6時間後と12時間後の間で有意に集積が増加した。3)PETによる画像では100%に腫瘍を検出したが、^<68>Gaの半減期が短く、12時間以上の観察はできなかった。4)プラナーイメージングの画像ではラット背部の腫瘍は強い放射能放出を示し、明白な腫瘍の局在を画像で描出した。 考察と結語)科研費申請時、^<62>Zn-^<62>Cuジェネレーターを用いて研究することを発案したが、本邦では市販されていないため、^<68>Gaを用いた。本実験のの結果から、^<68>GaのPh2への標識は成功し、製剤化が可能になったといえる。体内では主に肝、脾において集積代謝され、腎から尿へ、肝から胆汁へ排泄されていると考えられた。PETによるラット背部の腫瘍の検出は可能であったが、^<68>Gaの半減期が短いため、放射能検出限界のため観察時間に制限を生じた。将来、代謝時間の早い光感受性物質が開発されたとき、本法による癌の検出診断がより高解像度で可能となると考えられる。
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