研究課題/領域番号 |
06454384
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 明 京都大学, 医学部, 講師 (00240820)
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研究分担者 |
本田 和男 京都大学, 医学部, 講師 (00209321)
稲本 俊 医療技術短期大学部, 教授 (10135577)
山岡 義生 京都大学, 医学部, 教授 (90089102)
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キーワード | 肝再生 / クレアチンキナーゼ / 肝切除 / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
本来肝臓には存在しないクレアチンキナーゼを肝臓に発現させたトランスジェニックマウスを用いて、肝切除後の肝再生が速やかに効率良く行なわれるかを検討した。70%肝切除24時間後を中心とし、(1)肝細胞質内アデニンヌクレオチド、クレアチンリン酸代謝、(2)肝ミトコンドリアのATP生成能、およびミトコンドリア内アデニンヌクレオチド代謝、:(3)肝重量、(4)BrDUの取り込みによる肝再生の評価について検討を加えた。クレアチン食を与え、クレアチンリン酸が存在する群では、肝再生に伴う細胞質のATPの低下は防止でき、同時にミトコンドリア内ATPも高く維持される結果、ミトコンドリアの酸化的リン酸化は高く維持されることが判明した。肝重量はクレアチン食を与え、クレアチンリン酸が存在する群では、肝切除後速やかに回復することが判明した。同時にBrDUの取り込みも高く、DNA合成からも肝再生が促進されることが示された。以上の結果から、本研究の申請時に予想された通り、本来肝臓には発現していないクレアチンキナーゼを肝臓に遺伝子導入操作により発現させると、肝再生が効率良く、促進されることが証明された。肝再生時には、肝細胞の分裂が盛んであるため遺伝子導入の効率が良いことが知られているが、クレアチンキナーゼの遺伝子導入を肝切除と同時に行なうことにより、大量肝切除を行なっても、肝不全をおこすことなく、耐術する可能性のあることが示唆された。
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