研究課題/領域番号 |
06454388
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
都築 俊治 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (80051192)
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研究分担者 |
唐橋 強 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20245509)
市東 昌也 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10215981)
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キーワード | 肝組織 / 肝炎ウイルス / 肝細胞材癌 / 臨床特性 |
研究概要 |
本年度は、肝細胞癌患者より術前に得られた末梢血と手術中に得られた癌部および非癌部組織について、血清肝炎マーカーとBおよびC型肝炎ウイルスについて検討を行い、以下のような結果が得られた。血清肝炎マーカーはELISAまたはEIA法により、BまたはC型肝炎ウイルスはそれぞれPCRまたはRT-PCR法により行った。 1。HCV血中マーカー陽性症例中20%の症例では、肝組織中にHCVが検出されず、逆にマーカー陰性の約半数の症例で肝組織中にHCVがRT-PCR法により検出された。 2。肝組織中でHBVウイルスがPCR法により検出された症例の半数はB型肝炎の血清ウイルスマーカーが陰性であった。また、HBs抗体陽性9例中5例では肝組織中にHBVは検出されなかった。 3。HCVsubtypeを同一患者より得られた血中、非癌部、癌部で比較検討すると、血中や癌部で検出されたsubtypeは必ず非癌部でも検出されたが、逆に必ずしも真ではなかった。 4。非癌部のsubtypeは、単数認められるものと複数のsubtypeを認める症例とが存在していたが、再発をはじめとした臨床腫瘍学的特性とには一定の関連はみられなかった。 5。血中や非癌部で複数のsubtypeを認める症例では、肝機能障害の程度は単数認めるものに比較して、有意に高度であった。 6。肝細胞癌患者以外のHCV感染患者から手術時に得られた肝組織についてHCVsubtypeを検討してみたが、肝細胞癌患者の肝組織に検出されたsubtypeと種類、複数感染の頻度ともに有意の差はみられなかった。
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