研究課題/領域番号 |
06454395
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田林 晄一 東北大学, 医学部, 教授 (90142942)
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研究分担者 |
畑 正樹 東北大学, 医学部・附属病院, 医員
貞弘 光章 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (80250778)
近江 三喜男 東北大学, 医学部, 助教授 (00144931)
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キーワード | 解離性大動脈瘤 / エントリ- / カテーテル / 治療 |
研究概要 |
1.目的;解離性大動脈瘤の手術成績は向上してきているが、従来のエントリ-部の人工血管置換術より侵襲の少ないエントリ-閉鎖法の開発は治療範囲の拡大、成績向上に大きく貢献すると思われる。本研究は経皮経大動脈的に挿入可能なエントリ-閉鎖用のパッチが装着されたカテーテルを試作し、その有用性を実験的に作成した解離性大動脈瘤モデルで検討することを目的としている。 2.研究経過 (1)デバイスのデザイン、試作;平成6年度に続き、エントリ-閉鎖用カテーテルの試作およびデザインの改良を重ねた。真腔側エントリ-閉鎖用パッチ部分は、扁平なダクロン布製の袋の中に形状維持用のワイヤーを同心円状に送り込むことにした。偽腔側固定用バルーンは既存の一方弁付きバルーンを流用し、真腔側パッチと接着剤により一体化させた。最終的に計6組の実験用のデバイスを試作した。バルーンの半永久的固形化のための液体ポリマー(2-hydroxyethylmethacrylate)の調合方法を確定した。 (2)解離性大動脈瘤モデルの作成;成犬の下行大動脈に人工血管を用いてバイパスを作成し、2週間後までの開存を大動脈造影および屠殺により確認した。当初の実験では、バイパスの閉塞が見られたが、大動脈を軽く絞扼する工夫により開存が得られるようになった。デバイスの植え込み実験用のモデルとして、有用であると考えられた。 (3)植え込み実験;成犬を使った動物実験レベルのサイズで、パッチ部分と経大動脈的挿入のためのカテーテルの一体化は困難であったため、大動脈切開部から用手的に植え込み実験を試みた。手技的な問題で長期生存例が得られていないので、デバイスの効果判定はいまだ行っていない。今後は挿入用のカテーテル部の改良を試み、慢性犬での評価を可能としたい。
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