研究概要 |
今年度は霊長類を用いた異種心移植実験を始めるにあたっての基礎固めのために下記のことを行った。 1。当動物実験施設における霊長類実験のガイドラインを霊長類実験を行っている研究者とともに作成した上で、ヒヒ特製の飼育用ゲージ2つの作成し、ヒヒ2頭の飼育を開始した。これにより、ヒヒをクリーンに飼育することが判明し、免疫抑制下での移植実験を十分に行えるとが判明した。 2。我々が小動物において用いてきた手法(抗異種抗体の測定、細胞性免疫能(MLCなど)など)、またはヒトの免疫学に用いてきた手法(リンパ球分画など)を用いて、ヒヒの血清、免疫担当細胞を検査した。 (1)ヒヒのブタに対する抗体をブタの血管内皮細胞、白血球、並びに赤血球(前2者はELISA、後1者は摘定法)を用いて検出された。 (2)ブタのリンパ球をrargetとしてヒヒのリンパ球のMLCを行うと、その反応は自己と比較しても低いことが判明した。 (3)ヒヒのリンパ球分画の多く(CD4,8,2,25など)がヒトリンパ球に用いる抗体を用いてFACSできることが判明した。 来年度は、さらにヒヒの基礎的な免疫学的検査、薬学的検査を行った上で、ブタ心の異所性心移植実験を行う予定である。
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