研究概要 |
1)大阪大学動物実験施設における霊長類を用いた実験に関するガイドラインの作成 近年、霊長類を用いた実験の規制が厳しくなり、どの動物実験施設でも霊長類を用いた実験に関するガイドラインを作成する必要性が言われるようになった。大阪大学でも平成6年度からガイドラインを作成することに着手し、平成7年7月にガイドラインを作成し、9月に大阪大学動物実験委員会においても認可された。 このガイドラインでは、1)霊長類に対する獣医的かつ福祉的な取り扱いについて、2)霊長類からの感染予防についてなど幅広く指針が示されており、今後ヒヒを用いる実験を行う本研究を遂行する上においても貢献すると考えられる。 2)霊長類を用いた異種心移植実験を始めるにあたっての基礎固めのために下記のことを行った。我々が小動物において用いてきた方法(抗異種抗体の測定、細胞性免疫能(MLCなど)など)、またはヒトの免疫学に用いてきた手法(リンパ球分画など)を用いて、ヒヒの血清、免疫担当細胞を検査した。 (1)ヒヒのブタに対する抗体をブタの血管内皮細胞、白血球、並びに赤血球(前2者はELISA、後1者は摘定法)を用いて検出され、ブタの臓器灌流により抗体が減少することが判明した。 (2)ブタのリンパ球をtargetとしてヒヒのリンパ球のMLCを行うと、その反応は自己と比較しても低いことが判明した。 (3)ヒヒのリンパ球分画の多く(CD4,8,2,25など)がヒトリンパ球に用いる抗体を用いてFACSできることが判明した。
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