研究概要 |
【目的】肺癌症例に対し術前に化学療法が近年次第におこなわれるようになったが、抗癌剤の気管支形成術吻合部における創傷治癒に及ぼす影響については現在のところ報告されていない。平成6年度CDDP,ADM,CPAの術前単独投与群において検討を行ってきたが、CPA投与群において術語3日目に有意な創傷治癒の遅延を確認した。平成7年度は抗癌剤多剤併用群において検討を行った。【方法】8週齢の雄性Wistar ratにLD10の用量でCAV療法(CPA92mg/kg,ADM3.68mg/kg,VCR0.092mg/kg)、PVP療法(CDDP5mg/kg,VP-16 6mg/kg×3days)施行し、抗癌剤投与3およひ7日後に全麻下で皮切を4cm、左第四肋間で開胸し、左主気管支を切断し、8-0prolineで端々吻合する手術を行う。術後3日目、5日目、7日目に犠牲死させ、吻合部創傷治癒障害の程度を検討する。気管支の抗張力の測定として気管より50ml/hrの速度で生食を注入、左主気管支の吻合部より末梢と右主気管支をクランプしbursting pressureを測定、また吻合部組織のコラーゲン量の指標となるHydroxyprolin定量及び病理組織学的検討を行い、吻合部の創傷治癒の評価を行う。対照群はChemotherapy非施行で同様の気管支吻合をおこなったものとする。【結果】CAV投与群の3日後に手術を行った群の術後5日目においてbursting pressure及びHydroxyprolinは、対照群とほとんど差はなっかった。その他の群においてはまだ検討中である。
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