Radiosurgeryの治療機序の解明のためにラットモデルを作成した。脊髄治療モデルにて再現性の良好な効果が得られ、大線量治療にて早期の神経細胞障害が組織学的および電顕的観察より確認された。大線量では効果は細胞の分裂増殖と無関係で、神経細胞に対する副作用と共に機能的手術の可能性が示された。中線量以下の治療にては、一定期間後に組織壊死が確認され、これは治療部位にのみ限局していた。この部位では血液脳関門の破綻がみられ血管壁の変化として周皮細胞の変化が著明で、内皮細胞の変化は少なく、今までに報告されていた内皮増殖は二次的変化と考えられ、これらを報告した。治療に伴う副作用の予防のためにサルモデルを作成し画像診断による観察を行い、大脳の大線量治療後に治療部の糖代謝の低下を観察した。治療による神経機能の変化は少なく、代謝低下も経過と共に回復した。二次的な副作用予防のために新たなモデルを作成中である。臨床例での治療機序の検討から、頭蓋咽頭腫では低線量治療の可能性を、動静脈奇形ではradiosurgeryのための新しい分類の必要性を報告した。副作用の検討から小児の脳に対しては特に限局した治療が望まれること、成人の悪性膠腫の治療成績の向上と機能的部位の保護のため分割治療が可能であることを報告した。副作用予防の為に、分割治療実験モデルを作成し検索しつつある。
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