研究課題/領域番号 |
06454413
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高垣 政雄 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (70252533)
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研究分担者 |
織田 祥史 京都大学, 医学部, 助教授 (10026958)
古林 徹 京都大学, 原子炉実験所, 講師 (90089136)
小野 公二 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (90122407)
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キーワード | 悪性脳腫瘍 / 中性子捕捉療法 / ガドリニウム中性子捕捉反応 |
研究概要 |
1ヒト脳腫瘍でのGd-DTPA集積精についてヒト悪性脳腫瘍手術新鮮例10例について評価した。方法は、Gd-DTPAを2ml/min(total40ml/20min)を静脈内に投与し、投与15分後に腫瘍を摘出、凍結保存の後、ICP-AESおよび即発γ線法により腫瘍および血液中Gd濃度を計測した。全例で腫瘍濃度は血液中に比して小さかった。血液中に対する腫瘍中平均濃度比(T/β ratio)は0.54+0.39で個人差によるばらつきが大きかった。最大腫瘍中濃度は142ppmであった。血液中最大濃度は314ppmで、投与による副作用は認めなかった。2ネコ脳腫瘍モデルを用いた治療実験脳腫瘍猫を作成しGd-DTPAを静脈内より潅流させながら頭部に熱中性子照射を行った。雑種猫(2-3Kg)の頭頂葉にENU誘発C6sarcoma細胞を10^6/0.1ml移植し、移植1週間後に頭頂部に2×10^<13>nvtの熱中性子照射を行った。コントロールモデルには0.1mlの培養液のみを移植し(Sham operation)同様に熱中性子照射を行った。照射1週間後に脳を取り出し、病理標本を作成して治療効果を評価した。このモデルは異種移植脳腫瘍であるが、平均生存が移植後約3週間でばらつきが少なく、病理学的にも一部に免疫拒絶反応を認めるが、腫瘍血管の増生と腫瘍細胞の浸潤像を強く認め、又実験も容易であることから放射線治療の判定には有る程度有用であると考えられる。4例中2例で腫瘍が消失、1例は腫瘍細胞を認めたが強いimmuno-radiological reactionを認めた。他の1例は麻酔死した。コントロールを含め全例において、正常脳には異常所見を認めなかった。γ線による被曝線量をTLDにより評価したが、ガドリニウムの影響により頭頂部でのγ線量が著明に増加するが、照射野をリチウムタイルでコリメートすることにより全身被曝選量をコントロール群並に抑えることが可能であった。 これらの成果は、第53回脳神経外科学会総会、第6回国際中性子捕捉療法・学会等において発表された。
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