研究課題/領域番号 |
06454414
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
森竹 浩三 島根医科大学, 医学部, 教授 (90093327)
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研究分担者 |
加川 隆登 島根医科大学, 医学部, 助手 (60233657)
大場 謙吉 関西大学, 工学部, 教授 (30029186)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 神経内視鏡 / 脳血流 / 脳髄流循環 / 水頭症 / くも膜嚢胞 / レーザードプラ / レオロジー |
研究概要 |
脳室内環境は脳血流と脳髄液との循環動態により規定される。そこで髄液拍動の影響を最も多く受ける脳室壁血流をヘモレオロジー的観点から検証することで、髄液血液循環動態の知見が得られると考えた。まず、測定には血流動態解析のため光ファイバー型レーザードプラ血流計を用いた。レーザー光源をHe-Neガスから半導体へ変更して改良した。また、侵襲をできるだけ小さくし、流れを乱さないという要求を両立させるため、頭部を円錐状に加工した分布屈折率レンズを2本の平行ファイバー先端に接着させた微細なセンサーヘッドを試作し、脳血流・髄液流の局所流速の測定に応用した。次に、脳室内視鏡の手技に習熟するため、plastic cranial modelを用いて生食による灌流・laserによる凝固止血・鉗子による摘出などを行った。さらに、各種病態下での脳室壁の働きをみるために動物実験を行った。(1)水頭症モデルでは、脳室壁の血管や脈絡叢を観察し、血流計測を行った。問題点として正常ラットでは内視鏡の挿入を試みたが内視鏡の直径が太いため細内視鏡の挿入を検討中である。(2)頭蓋内圧亢進モデルではバルーン加圧法ではなく、脳室内注水モデルを作成した。生食注入による脳圧亢進で脳室壁の血管径を観察した。最後に、臨床応用として各種病態でのモニターを行った。(1)正常圧水頭症で、脳室壁血流の低下が壁性状の変化や脳室壁の透過性の異常と関連することから、脳室壁血流と臨床症状・検査所見の相関を確認した。(2)隔壁形成などの後遺症を伴う髄膜炎後水頭症で、隔壁の観察を行った。(3)クモ膜嚢胞例では、嚢胞壁の性状を観察した。従来の開頭術では嚢胞が虚脱し、嚢胞としての観察が困難であったが、今回、生理的条件で嚢胞内からの嚢胞壁血流の観察を行った。さらにシネMRIによる髄液循環動態との関連性を検討している。(4)脳腫瘍として下垂体腺種の経蝶形骨手術で、術中内視鏡を用いた。腫瘍摘出において視野の届かない側壁を内視鏡で確認し、さらにパルスドプラで血流測定を行った。
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