研究課題/領域番号 |
06454415
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
隅田 昌之 広島大学, 医学部・附属病院, 講師 (40236047)
|
研究分担者 |
川本 仁志 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (20274087)
杉山 一彦 広島大学, 医学部・附属病院, 講師 (30243554)
有田 和徳 広島大学, 医学部, 助教授 (90212646)
伊藤 明弘 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (60034633)
|
研究期間 (年度) |
1994 – 1995
|
キーワード | プロラクチン / Reverse hemolytic plaque assay / Cell immunoblot assay / Autocrinologic growth / Cabergoline / Endocrinologic function / Cavernous sinus invasion / Growth rates |
研究概要 |
1.ラットの正常下垂体細胞および短期間から長期間の様々な期間エストロゲンにより誘発された下垂体細胞を用いて、単一細胞レベルでプロラクチンの分泌量を、recerse hemolytic plaque assay法により半定性的に検討し、また同様にTRHによる分泌刺激、ドーパミンによる分泌抑制について検討した。その結果、細胞一個当たりの平均プロラクチン分泌量は正常下垂体細胞の方が下垂体腺腫細胞より大きいこと、一方分泌量の不均一性については正常下垂体では多相性であるが、下垂体腫瘍では腫瘍化に伴って多相性は減少し二相性を呈することが判明した。 2.ヒトのgrowth hormone (GH)分泌下垂体腺腫がGH-releasing hormone (GHRH)を分泌していることがCell immunoblot assay法により証明され、autocrine growthに関与している可能性が示唆された。 3.dopamine agonistであるcabergolineは、ラットのプロラクチノーマに対しIn vitroまたIn vivoにおいても抗腫瘍効果を有することが示された。 4.増殖能に関しては、ヒト下垂体腺腫におけるその臨床的および増殖能を中心とした生物学的性質を検討し、腫瘍の大きさおよび内分泌学的機能性と増殖能とは独立した性質であることが示唆され、また大部分の症例において、増殖能のマーカーとしてよく知られているPCNAやMIB1の陽性細胞率は1%に満たないことが判明した。 5.新しい知見としては、ヒト下垂体腺腫において、海綿静脈洞侵入例に高いtype IV collagenolytic activityが認められ、海綿静脈洞侵入にtype IV collagenaseが関与している可能性が示された。 6.上記の知見より今後の課題として、ヒト下垂体腺腫のtype IV collagenases分泌量についての検討が必要と考えられるが、現在すでにcell immunoblot法により検討を始めている。
|