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1994 年度 実績報告書

不随意運動症に対する後腹側淡蒼球手術と大脳基底核機能の微小電極法による分析

研究課題

研究課題/領域番号 06454417
研究機関九州大学

研究代表者

島 史雄  九州大学, 医学部, 助教授 (40117130)

キーワード後腹側淡蒼球手術 / 微小電極法 / パーキンソン病 / ジストニア / 舞踏病 / 寡動症 / 脳幹網様体 / 視床
研究概要

1)パーキンソン病135例、ジストニア症候群16例、その他の不随意運動7例に対して後腹側淡蒼球手術を行った。
2)本手術は、募動を主徴とするパーキンソン病の他、舌、躯幹、近位筋における特発性ジストニア、舞踏病に対して有効であり、視床手術とは適応症が異なる。
3)症状に左右差が少ない上記の不随意運動や日内変動が著しい若年性パーキンソン病に対しては同時に両側手術を適応した。
4)募動を呈するパーキンソン病では淡蒼球内節の自発性背景活動が極めて亢進し、純粋無動症ではこの活動が低下した。
5)従来からの予測とは異なり、ジストニアや舞踏病では淡蒼球の神経活動は比較的亢進していた。
6)淡蒼球内節の腹内側部2/3に、随意運動や不随意運動に関連した神経活動が限局してみられ、このうち最腹側は顔面、その背側に上肢、さらに下肢に関連した体性分布がみられた。
7)淡蒼球内節腹内側部のうち、その背側半分の凝固では下肢症状が、腹側半分の凝固では上下肢症状が改善した。したがって、淡蒼球内節では、倒立した体性分布がみられ、背側にある下肢細胞の軸索は腹側を経由して終止核に投射することが推定される。
8)後腹側淡蒼球手術は、従来のような大きな凝固巣ではなく、淡蒼球内節腹内側部の中で、さらに症状の分布にあわせた選択的小凝固巣を作成することにより治療が可能であることを見いだした。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 島 史雄: "パーキンソン病に対する後腹側淡蒼球手術-淡蒼球手術の復活-" Neurological surgery. 22. 103-110 (1994)

  • [文献書誌] 島 史雄: "パーキンソン病の治療-新しい定位脳手術" 治療. 76. 129-137 (1994)

  • [文献書誌] 島 史雄: "パーキンソン病に対する“新しい"淡蒼球手術" 脳神経外科速報. 4. 17-22 (1994)

  • [文献書誌] 島 史雄: "無動症の神経機構-後腹側淡蒼球手術の経験から-" Progress in Medicine. 14. 3100-3105 (1994)

  • [文献書誌] 島 史雄: "パーキンソン病に対する外科治療" Lilly DATE. 4. 12-13 (1995)

  • [文献書誌] 島 史雄: "大脳基底核疾患の機能的神経外科" 神経進歩. 39. 320-329 (1995)

  • [文献書誌] F.Shima: "Role of the descending pallids-reticular pathway in movement disorders.In Segawa,M.,Nomura,Y.(eds) Monogr Neural Sci,Vol.14,Age-Related Dopamine Disorders." Karger (in press), (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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