研究課題/領域番号 |
06454422
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
坪川 孝志 日本大学, 医学部・脳神経外科学, 教授 (80058958)
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研究分担者 |
川又 達朗 日本大学, 医学部・脳神経外科学, 助手 (20234122)
山本 隆充 日本大学, 医学部・脳神経外科学, 講師 (50158284)
片山 容一 日本大学, 医学部・脳神経外科学, 教授 (00125048)
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キーワード | 植物症 / 脳深部刺激療法 / プロスタグランディン / 体温 / 誘発電位 / 脳波 |
研究概要 |
植物状態を呈する患者を電気生理学的に分類し、脳深部刺激療法の効果との比較を行なった。 また、髄液中のPGE_2,PGD_2ならびに深部体温の日内変動をモニターして、脳深部刺激療法の効果について検討した。 その結果、脳波連続周波数分析にてdesynchronizationを認め、聴性脳幹反応の第V波、体性感覚誘発電位のN_<20>を認め、Pain-related P_<250>が高振幅で記録される症例において、脳深部刺激療法によって植物症から脱却した症例が多く認められた。 さらに、脳深部刺激療法の刺激方法を決定するための指標として、髄液中のPGE_2,PGD_2の日内変動ならびに深部体温の日内変動をモニターすることが有用であることが明らかとなった。 すなわち、PGE_2が日中増加して夜間に減少するbiphasicな変化を呈するように、また、PGD_2がその逆の変化を呈するように刺激時間を設定することにより、睡眠-覚醒サイクルを考慮した刺激が可能となり、深部体温についても早朝に最低となり、午後9時頃に最高となる日内変動も出現した。 これまでは、遷延性意識障害の患者はマスコミなどで植物人間などと呼ばれ、家族の精神的また肉体的から社会問題として扱われては来たが、植物症を呈している症例の中にも治療医学の対象となる症例が多数存在することが明らかとなり、今後さらに研究を発展させる予定である。
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