研究課題/領域番号 |
06454433
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
井形 高明 徳島大学, 医学部, 教授 (80108860)
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研究分担者 |
加藤 真介 徳島大学, 医学部, 講師 (30243687)
福沢 健治 徳島大学, 薬学部, 教授 (90035551)
福井 義浩 徳島大学, 医学部, 教授 (50144168)
岡 源郎 徳島大学, 医学部, 教授 (60028298)
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キーワード | 脊髄損傷 / 一酸化窒素 / 細胞接着分子 / 過酸化脂質 |
研究概要 |
外傷後に続発する脊髄変性の予防に関する研究では、一酸化窒素(NO)、および好中球の細胞接着分子(ICAM-1)の役割を研究した。その結果、NOが脊髄損傷後に産生されることをはじめて明らかにした。これに対しNO合成酵素阻害剤である(L-NAME)を投与すると、大量投与すると過酸化脂質の増加と共に、運動麻痺がかえって増悪することが明かとなった。しかし、逆に少量投与すると、受傷後投与でも運動機能の改善に好影響を与えた。 NOの作用の二面性は他の部位でも報告されているところであり、NO合成酵素(NOS)の種類による違いが推測されている。そこでNOSの誘導を検討すると、損傷後亜急性期で誘導型NO合成酵素(i-NOS)が発現することがあきらかとなり、NOが細胞毒性に働くのはこの時期のi-NOSによることが推測された。脊髄損傷の二次障害における活性酸素の役割については過去に報告してきているが、その発生源については充分な検討が行なわれていない。そこで、好中球に注目し検討を行なった。その結果、脊髄損傷後にmyeloperoxidase活性が上昇することより、好中球の侵潤が起こっていることが確認された。この侵潤を促進するICAM-1の発現が脊髄損傷後に起こることをはじめて明らかにし、ICAM-1抗体投与を行なうことにより、脊髄麻痺の軽減が可能であることを明らかにした。臨床的にも、損傷後の神経麻痺の増悪と白血球数とに関連があることを明らかにし、ICAM-1の阻害が臨床的な治療に役立ちうること考えられた。 これらの知見をもとに、レーザーメスを用いた際の損傷の広がりとNO、好中球の関連を検討している。また、NO、ICAM-1の役割に関しても、免疫組織学的に検討を加えている。
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