研究課題/領域番号 |
06454435
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
高木 克公 熊本大学, 医学部, 教授 (70040219)
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研究分担者 |
井出 淳二 熊本大学, 医学部, 助手 (10253725)
山鹿 眞紀夫 熊本大学, 医学部・付属病院, 講師 (90145318)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 自律神経機能障害 / 胸郭出口症候群 / 皮膚血流反応 / 末梢神経障害 / 視床下部 |
研究概要 |
【臨床的調査】神経原性胸郭出口症候群の自律神経症状には、全身的自律神経症状が存在した。機械的な刺激を圧迫型と牽引型に分け、牽引型に自律神経症状は多かった。精神症状と自律神経症状の関係は、発症当初は局所的な上肢症状であったものが、罹病期間の長期化に伴い全身的自律神経症状へと波及し、さらに長期化すると精神症状が出現することがわかった。【自律神経機能の臨床的な調査】レーザードップラー皮膚血流計を用いて1.安静時の左右の血流変動をLaterarityとして評価した。又、交感神経成分を表す低周波成分を検討した。2.各種負荷反応に対する変動を調査した。lateralityに関しては、TOS群では相関係数が健常人より小さくlaterarityが大きいことが判明した。パワースペクトル解析による交感神経成分の評価では、TOS群では交感神経機能が有意に正常群よりも低下していた。又、負荷刺激による評価では、交感神経機能の血流反応パターンは、交感神経機能異常型が、牽引型に多く見られた。副交換神経機能の最大吸気試験では正常群より有意に低下が見られた。罹病期間の長期化に伴い交換神経・副交感神経のいずれの低下も見られるが、副交感神経よりもむしろ交感神経の機能低下が大きい傾向があった。自律神経障害の程度は牽引型に強かった。【実験的調査】末梢神経の機械的刺激が自律神経の高位中枢である視床下部にいかなる影響が生じるか、視床下部におけるノルアドレナリンの反応性をマイクロダイアリーシスによるFreemoving状態にて検討した。視床下部の変動は、一劇的な急性実験ではノルアドレナリンは急激に上昇し、刺激に引き続く急性6時間後の反復刺激では一撃的な刺激に比べ反応性には変化しないことが分かった。しかし、3週後の反復刺激では、ノルアドレナリンの基礎量の回復はあるものの、反応の低下が長期にわたり存在することが分かった。
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