研究課題/領域番号 |
06454445
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
小栗 顕二 香川医科大学, 医学部, 教授 (40079934)
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研究分担者 |
蒲生 寿美子 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (40128765)
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キーワード | 麻酔薬感受性 / 正向反射 / 多因子遺伝 / 母性因子 / x染色体上因子 / セロトニン / メトエンケファリン / ニューロペプチドY |
研究概要 |
麻酔薬感受性の遺伝学的分析について:正向反射消失(loss of righting reflex)に必要な麻酔濃度をddN及びC57BL(以下BL) 系マウスのそれぞれの雌雄、それらの第1代雑種及び戻し交雑について測定し、次の様なことが解かった。 1)BLとddNにはエンフルランおよびイソフルランに対して感受性差があり、ddNの方が抵抗性つまり麻酔薬に強いが、この方は抵抗性が継代繁殖とともに低下している。これはddNのエンフルラン抵抗性に関与する遺伝子群の中のあるものが継代繁殖を続けていく間に失われたものと推測している。 2)F1の検討によりddN、BLのエンフルラン感受性に関するおおよその優劣関係が推定できた。BL/ddN-F1-♂(BL♀とDDN♂を交配させて生まれたF1の♂、以下同様)以外のF1はほぼddNとBLとの中間にあり、ddNのエンフルラン抵抗性は不完全優性遺伝もしくは多因子遺伝であることが示唆された。さらにBL/ddN-f1-♂が他の組み合わせに比べて特に麻酔濃度が低いことからddNのX染色体上の因子がエンフルラン抵抗性の成立に重要であることが示唆された。またddN/BL-f1-♀がBL/ddN-F1-♀よりも抵抗性が高いことより母性因子(細胞質因子)の関与が推定された。 マウス脳神経伝達物質の免疫組織学的検索:ddN、BLおよびF1の結果は集積中で以下に示すようにほぼ前年と同様結果である。戻し交雑の結果似ついてはまだ報告する段階に至っていない。前者については、セロトニン:海馬CA1、CA2、CA3(線維分布密度ddN<BL)、海馬歯状回(同ddN>BL)。メトエンケファリン:海馬mossy fiber(染色ddN>F1′>F1>BL)。ニュウロペプチドY:頭頂葉大脳皮質(陽性細胞ddN<BL)、視交叉上核(染色性2xddN、F1、F1′<BL)、室傍核(染色性F1、F1′<ddN<BL)、三叉神経脊髄路核(染色性F1<F1′、ddN<BL)、頚髄後核(染色性ddN<BL)である。遺伝的情報と神経伝達物質の中枢神経各部における多寡との肝硬変練成については未だ検討できない。
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