研究課題/領域番号 |
06454449
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
武田 純三 慶応義塾大学, 医学部, 助教授 (30101968)
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研究分担者 |
大内 貴志 慶応義塾大学, 医学部・麻酔学教室, 助手 (60255560)
大西 幸 慶応義塾大学, 医学部・麻酔学教室, 助手 (40245593)
松本 みどり 慶応義塾大学, 医学部・麻酔学教室, 助手 (50229580)
島田 宗明 慶応義塾大学, 医学部・麻酔学教室, 講師 (20154271)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | 虚血-再灌流傷害 / 人工心肺 / 食道癌根治術 / 大動脈手術 / 好中球 / 麻酔薬 / キサンチンオキシダーゼ |
研究概要 |
本研究では、課題である虚血-再灌流傷害による臓器障害と麻酔薬の関連について動物実験および臨床研究の両面から検討を加えた。また研究実施に当たっては、虚血-再灌流傷害による臓器障害に中心的な役割を果たしていると考えられている血管内皮細胞および好中球の機能と麻酔薬の関連に注目して検討した。 1.動物実験 ウサギを用いた両下肢、および腹部内蔵の虚血-再灌流傷害モデルを作成し、虚血-再灌流に伴って生じる血管内皮細胞、好中球の活性化の程度および肺、肝、腎などの臓器障害の程度を検討するとともに、用いる麻酔薬によってこれらのparameterがいかなる影響を受けるかを検討した。本研究の結果、使用する麻酔薬によって好中球活性化の程度および臓器障害の程度に差が生じることが明らかになった。具体的にはセボフルランおよびプロポフォールによって過剰な好中球活性化が抑制され、臓器障害の程度も軽減されることが示された。また硬膜外麻酔の併用による好中球活性化の抑制作用も認められた。今後はこれらの病態に対するタンパク分解酵素阻害剤などによる薬理学的予防法、治療法の検討および出血性ショックに伴う虚血-再灌流傷害の病態生理に関する検討を加えていく予定である。 2.臨床研究 臨床例として人工心肺に伴う虚血-再灌流と食道癌根治術周術期に生じる組織低灌流状態に着目し、これらの症例における血管内皮細胞、好中球の活性化の程度の程度を検討した。本研究の結果、人工心肺下心臓手術においては大動脈遮断直後に有意な好中球活性化が認められることが明らかとなった。またこの好中球活性化の程度と術後の肺機能の低下に相関が認められた。一方、食道癌根治術周術期には手術開始後24時間の時点で好中球機能が有意に亢進することが示された。今後は、肝臓および消化管に対する虚血-再灌流に着目した検討を加える予定である。
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