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1995 年度 実績報告書

顆粒膜・莢膜細胞間相互作用の研究:卵胞発育機序解明へのアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 06454467
研究機関福井医科大学

研究代表者

小辻 文和  福井医科大学, 医学部, 助教授 (50153573)

キーワード卵胞発育 / 細胞間相互作用 / 顆粒膜細胞 / 莢膜細胞 / 機能分化 / 細胞内微細構造
研究概要

当該研究者らの従来の研究により、卵胞を構成する顆粒膜細胞と莢膜細胞の間には、互いの形態と機能を調節するシグナルの交換が存在することが明らかにされている。顆粒膜細胞は卵胞発育の過程で著しい機能分化を呈するが、この研究では、卵胞発育の進行にともない、顆粒膜細胞の機能分化を、莢膜細胞がどのように調節するかを検討した。昨年度は内分泌学的検討により、(1)顆粒膜細胞のホルモン産性能は、莢膜細胞の存在下で低下すること、(2)逆に成熟卵胞より得た顆粒膜細胞のホルモン産性能は莢膜細胞の存在下で亢進するという結果を得た。そこで、今年度は、莢膜細胞の存在により、顆粒膜細胞内の微細構造がどのように変化するのかを観察し、以下の結果を得た。
1.未熟な卵胞より得た顆粒膜細胞を、莢膜細胞と共培養すると、(1)細胞内の脂肪滴が減少すること、(2)RERが拡張すること、(3)またミトコンドリアが延長し分枝すること、が特徴的であった。即ち、莢膜細胞の存在下では、顆粒膜細胞の分化が抑制されていることが示唆された。
2.一方、成熟した卵胞より得た顆粒膜細胞を、莢膜細胞とともに培養すると、(1)脂肪滴やライソゾームは増量し、(2)RERとフリー・リボゾームは極端に減少する。即ち、莢膜細胞の存在下では、顆粒膜細胞の分化が亢進していることが示唆された。
昨年度の内分泌学的検討と今年度の形態学的検討により、莢膜細胞は、卵胞発育の過程で、顆粒膜細胞の機能分化を2相性に調節すること、即ち、卵胞発育の初期には顆粒膜細胞の分化を抑制し、発育が進むにつれ分化を促進する方向に働くことが判明した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 小辻文和ら: "顆粒膜細胞のホルモン産生能に及ぼす莢膜細胞の影響:卵胞発育にともなう変化" 産婦人科治療. 70巻. 101- (1994)

  • [文献書誌] Kotsuji F: "Ultrastructural Changes in Follicular Cells Induced by Granulosa and Theca cell Interactions." Medical Electron Microscopy. 27. 260-263 (1994)

  • [文献書誌] Maeda J: "In vitro development of bovine embryos in the conditioned media of bovine granulosa cells and Vell cells cultured with the exogenous protein and amino acid-free chemically defined human tubal fluid(HTF)medium." Biol.Reprod.(in press).

  • [文献書誌] Kotsuji F.: "Recent Advances in Ovarian Function:Basic and Clinical Researches.Serono Symposia;The role of granulosa and theca cell interactions in oocytes maturation." Serono Symposia Publication, 6 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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